仮想通貨規制のないモルドバ共和国、新たに取引所とトークンが誕生

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仮想通貨規制のないモルドバ共和国、新たに取引所とトークンが誕生

仮想通貨の波は、東欧モルドバ共和国にも着実に広がりつつある。モルドバ共和国とは旧ソビエト連邦に属していた国であり、従来から東西の政治経済の中継地としての役割を担っていた。

モルドバ国内の仮想通貨コミュニティは、この流行を反映させ、新たにモルドバ発の仮想通貨取引所とトークンが開発されたと発表。さらに、間接的ではあるが中央銀行からの認可も得ているとのことだ。

取引所は10種の仮想通貨と8種の不換紙幣を取り扱う

取引所の「Drachmae Market」では近日中にまず、10種の仮想通貨の取引を行うそうだ。その中にはビットコイン (BTC)やビットコインキャッシュ(BCH)、イーサリアム (ETH)などの先駆的な仮想通貨に加え、Zozoコインや、Drachmae MarketのトークンDTMIなど、モルドバ発行のトークンも含まれる。

さらに、この取引所ではユーロやドル、ルーブル、そしてモルドバの通貨であるレイなど、8種類の不換紙幣(政府が発行する法定紙幣:信用紙幣)による取引も可能である。Drachmae Marketは国内にある「モルドバ分散型デジタル技術協会(DTMA:Digital & Distributed Technology Moldova Association)」の援助によって設立され、同国初の仮想通貨交換所として発表された。この交換所は既に新規アカウントの発行を受け付けている。


出典:Drachmae Market

DTMAは、国内経済に分散型台帳技術の実装を促進させるために、今年初めに設立。そして、モルドバ政府や規制当局と緊密に連携し、税制処置処遇やブロックチェーンの導入を促進する特別テクノロジー区の設立を提案している。

これと同様のプロジェクトは、旧ソビエト国ベラルーシで既に実現されている。ベラルーシでは、現在多くの金融技術(fintech:フィンテック)分野の企業がミンスクにある Hi-Tech Park(中東欧のIT産業を先導する技術集団)のメンバーシップを活用しているのである。


出典:Google Map

首都キシナウで開催されたブロックチェーンと仮想通貨の主要イベントで、Drachmae Marketの設立が発表されたのだが、このニュースは国内だけでなく国外の仮想通貨メディアにまで報じられた。キシナウで開催された国際ブロックチェーン仮想通貨サミットでは、西はリトアニア、東はインドまでとアジア・ヨーロッパから多くの仮想通貨コミュニティの代表者が出席した。

この会議で、DTMA設立者兼代表であるLee Gibson Grant氏は、DTMAは中央銀行から通知書を受け取っており、仮想通貨の法的運用を間接的に許可するものだったと語った。

Mybusiness.md reportsによると、このサミットに提出された書簡には、「仮想通貨を規制する法的枠組みが現在モルドバには存在しない」と書かれており、仮想通貨の運営に公的な圧力をかける必要がないというのが、モルドバ中央銀行(National Bank of Moldova)の基本的見解であるそうだ。

それと同時に Drachmae Marketは、不換紙幣(法定紙幣)も提供しているため、マネーロンダリング防止法や反テロ資金法なども順守しなければならないのだ。つまりオペレーターは貨幣の流通と処理された取引に関する財務データをシェアすることを求められているのである。

中央銀行(NBM)が仮想通貨に対する見解を軟化

また、この中央銀行の対応は、仮想通貨に対する見解の軟化を物語っている。2017年の秋、NBM(National bank of Moldova)は、「中央銀行や政府機関は仮想通貨の発効や保障には一切関与しない」と述べ、仮想通貨に対する自身の立場を明らかにした。つまり、中央銀行は「仮想通貨はデジタル化した資産であり、個人または法人が現金の代わりとして使うもの」として認めた上で、「国内通貨とは一切結び付いていない」という点を強調したのである。

「モルドバには仮想通貨の使用に関する法的な規制はありません。仮想通貨は決済サービスや電子マネーに関する法律における電子マネーの一種ではないので、『デジタル通貨』の発行と、それによる取引は管轄当局によっては規制されない」と中央銀行は述べのだ。

一方財務当局は、仮想通貨の利用に関して様々なリスクを挙げた。仮想通貨利用者は、詐欺や高額手数料、資金の損失、不安定な市場価格の変動、そして業者が仮想通貨を受け入れる保障がないという様々なリスクにさらされるのだ。しかし、モルドバ国内では、仮想通貨を支持するユーザーや業者が増え続けている。例えば、キシナウにある大手家具量販店では12月にビットコイン(BTC)による決済の導入を発表した。

東欧諸国での動き

モルドバは依然として、他地域の競争相手に遅れを取っている。ウクライナでは暗号化の分野で情報技術が急速に発展。その拡大は非常に大きく、証券委員会の局長は「無駄になる要素がない」と発言したほどである。

モルドバから分離独立をした非承認国ドニエストル共和国では仮想通貨に有利な法律が採択された。同国では、マイニングが合法化され、外国人にこの分野での事業展開を促進させる動きに向かっている。モルドバに最も近い隣国のルーマニアでも仮想通貨業者のプロ意識は非常に高い。

参考:Bitcoin.com