デンマークのダンスケ銀行、マネーロンダリングの疑いで米司法省やSECが調査

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デンマークのダンスケ銀行、マネーロンダリングの疑いで米司法省やSECが調査

米司法省や証券取引委員会(SEC)など規制当局はこのほど、内部告発者の2年前の訴えに基づき、デンマーク最大手のダンスケ銀行(Danske Bank)を1500億ドルのマネーロンダリング(資金洗浄)容疑で捜査を開始した。 シティグループ(Citigroup)とドイツ銀行(Deutsche Bank)も関係があるのではと疑われている。

ウォール・ストリート・ジャーナル(以下:WSJ)が2018年9月14日伝えたもので、ダンスケ銀行はデンマークとエストニアでも操作されている、同行の最高経営責任者(CEO)は、疑わしい取引に対する警告を無視したと伝えられている。

ロシア、アゼルバイジャン、モルドバから流出した資金洗浄容疑

WSJが匿名の事情に通じた筋の訴えを引用して、「米国の法執行機関は、ロシアと元ソ連邦(ロシアの自治州エストニア)から流出した多額の金銭にかかわる容疑で、デンマーク最大手銀行捜査している。この件に米国が関係していることから、ダンスケ銀行との大きな利害関係が持ち上がっている」と伝えた。

報道によると、2007-2015年の期間に推定1500億ドルが、ダンスケ銀行エストニア支店にある口座に流れ込んだこと疑いが生じている。送金元はロシア、アゼルバイジャン、モルドバの3ヵ国とされる。

ダンスケ銀行の調査官は、この全額が疑わしいか否かについてコメントを避けている。同銀は内部調査を実施し、その結果を同行ウェブサイトに9月19日公表する予定だという。デンマークとエストニア両当局者は現在、ダンスケ銀行を調査中であり、その情報は米国の関係当局に通報されていると、事情通の数人の欧州当局者がWSJに明かした。

米国は公式には未確認 司法省テロ対策次官補が事態認識

一方米国では、ダンスケ銀行が捜査されていることは正式に確認されていない。2週間前、米財務省のテロ資金供与担当次官補のマーシャル・ビリグスリア(Marshall Billingslea)氏は、デンマークの日刊紙Berlingskeに対して、「われわれはこのケースを極めて綿密にフォローしている」(ロイター)と以下のように語った。

「ダンスケ銀行は米国に銀行業の免許を取得していないが、ドル建て債券発行プログラムがあり、同行のエストニア支店は、米ドル顧客の流出入を承知していることから、米規制当局者の間で関心が高まりうることだ」

WSJによると、米司法省は外国銀行へのドルの供給を制限できることになっており、米財務省、司法省は銀行を(規制違反などで)処罰することができるという。

ダンスケ銀行、シティグループ、ドイツ銀行、三つどもえの可能性も

また英フィナンシャル・タイムズ(以下:FT)紙によると、ドイツのベレンベルク銀行(Berenberg)のアナリストであるアダム・バラス(Adam Barrass)氏は7月に、「ダンスケ銀行はドル資金調達と取引を利用しているため、米国から(違反に対する)処罰される可能性がある」と語っていた。

FTによると、ダンスケ銀行のトーマス・ボルゲン(Thomas Borgen)CEOは、マネーロンダリング(資金洗浄)疑惑を警告された際に、エストニア支店での銀行業務を縮小するよう求めた電話を無視した。同CEOは2013年10月の会議の席上で、そのような警告を一蹴したという。

WSJはさらに「内部告発者はドイツ銀行とシティグループが、ダンスケ銀行エストニア支店での入出金される取引に関与していると名指しで苦言を呈した」という。それによると、ドイツ銀行はダンスケ銀行のコルレス銀行役を勤め、シティグループのモスクワオフィスはダンスケ銀行エストニア支店を通じた一部の取引に関与したとされる。

ちなみに現在実施されている捜査によって、ダンスケ銀行の株価は、2018年に入って大きく下落。仮想通貨界でもマネーロンダリングの問題は常に対策について考えられている。事態は米ソ関係の新たな火種になる可能性ゼロとは言えず、注視した方がよさそうだ。

(フリージャーナリスト、大手マスコミOB記者:長瀬雄壱)

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参考:Bitcoin.com

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