仮想通貨取引所の大多数(88%)が規制を望む、世論調査で分かった業界の変心とは?

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大多数の仮想通貨取引所が規制を望む、世論調査で分かった業界の変心とは?

米証券取引委員会(SEC)など規制当局が、ICOや仮想通貨を証券と見なすかどうかなど、規制のあり方を検討し始めてから半年になろうとしている。仮想通貨業界は厳しい規制に反対してきたが、ここにきてある程度の規制はやむを得ないという考え方に傾いてきたようだ。

EU加盟国リトアニアの関連金融会社が最近、世界的に実施した調査によると、調査対象の24の仮想通貨取引所の何と88%が規制を望み、それが業界に広がるさまざまな脅威の解決につながるとの見方であることが分かった。

世界の仮想通貨取引所の88%が規制を容認

調査会社は、リトアニアの仮想通貨にフレンドリーな決済代行企業MisterTango。同社は欧州、アジア、南米、オセアニアに広く仮想通貨取引所で日量が1億ドルを超える24の取引所について、規制、匿名性、市場の成熟などに対する業界の考え方を調べた。

調査の結果、88%が規制を望んでいることが分かったが、17%の取引所は、過度の規制は業界にとって最大の脅威であり、規制当局者は取引所の存在を否定するような規制は避けるべきだとの見解を示した。回答者の4分の1は、肯定的で前向きの規制こそあるべき姿だと回答している。

ロンドンの仮想通貨取引所CEX.IOのオレクサンドル・ルッツケヴィッチ最高経営責任者(CEO)は「今日まで、業界は規制問題に発言権がなかった。業界は規制環境を避けたいと思っていると広く考えられていたが、事実とは程遠い。規制は市場の成熟につながることを皆よく知っており、企業は仮想通貨の不法利用への関与を疑われないことを確実にする」とコメントしている。

調査で判明した、その他興味ある結果は以下の通り。

  • 取引所の過半数(55%)は、仮想通貨利用者は、在来の金融サービス機関による身元確認のためのKYC(Know Your Customer)とAML(アンチマネーロンダリング)手続きと検査を受けるべきであると回答した。
  • 回答者の30%は、業界最大の脅威として、ありうる大きな相場下落や資産評価損のことを良く知っており、別の3分の1は最大の脅威は、犯罪性の知覚そのものであると指摘している。また回答者の5分の1は、匿名とパートナーの透明性欠如を最大の脅威に挙げている。

規制後の仮想通貨業界を支えるのは銀行の対応の変化

MisterTangoのビジネスマネジャーであるガブリエル・ビルクシュティス氏は「不確実性が最大の恐怖であり、規制は必要な安定性をもたらすために必須である。残念ながら、世界的に規制に対するコンセンサスはない。仮想通貨が法定通貨のような規模と普遍性を持つためには、凝集力があり思慮ある包括的な規制を必要とする。規制は仮想通貨市場の発展にとって触媒であり、阻害要因ではない」と述べている。

規制後の業界を最も支援するだろものについて、40%の回答者が、銀行の態度の変化を挙げており、それが仮想通貨をより広く受け入れる結果になると予測している。現実はどうかと言えば、多くの銀行はさまざまな制裁や制約を課しており、仮想通貨トレーダーは多くの交換所で自分のアカウントに資金を預けることがほぼ不可能な状態であるという。

2018年初め、ウェルズ・ファーゴ、オーストラリアのコモンウェルス銀行(CBA)、バンク・オブ・アメリカ、シティ、モルガン・チェース、ロイズなど、世界各地の少なからぬ数の銀行が、銀行発行のクレジットカードを使った仮想通貨購入を禁止した。

今回の調査は、規制後の理想的な姿が、仮想通貨取引所と金融機関との融和と共存であることを明白にした。

(フリージャーナリスト、大手マスコミOB記者:長瀬雄壱)

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参考
cryptovest
realwire