仮想通貨の取引事業者(Binanceなど)が、銀行業を開始する動き目立つ

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仮想通貨の取引事業者(Binanceなど)が、銀行業を開始する動き目立つ

有力な仮想通貨取引所を中心にして、業界内に銀行業を営もうとする動きが目立ってきた。ビットコイン(BTC)が初めて発行された(2009年)頃、多くの支持者は、銀行業は大きな打撃を受けるのではないかと予測した。

それから約10年、仮想通貨業界は約3000億ドルの時価総額を手中にして、取引所、仲介業者、店頭市場業者など仮想通貨関連産業は、銀行株の購入を視野に入れ始めたのにとどまらず、銀行業そのものに参入する注目すべき動きが伝えられている。

バイナンス(Binance)が初のブロックチェーン利用Founders Bank設立に5%出資

このような動きの背景にあるのは、取引所やマーケットメーカーが、事業を拡大し、日量にして非常に多額のマネーを取引するようになったことである。さらにいくつかの企業や取引所自体が方針を変えて、「相手に勝てないなら、銀行になるかそれともこれら金融機関の株式を購入することで仲間入りする」戦略を採用しはじめているのだ。ここではそのいくつかの実例を紹介する。

仮想通貨取引所の世界大手Binanceは最近、Founders Bankと呼ばれる銀行の5%利権を取得した。この世界初となる非中央集権型の銀行は、Binanceが拠点を移したマルタ島に設立される計画だと発表され、Binanceは資金調達前の企業価値約1.55億ドル(約175億円)の5%相当を出資する。

Binanceによれば、この銀行は仮想通貨トークンと分散型台帳技術を利用する。マルタ首相府のシルビオ・シェンブリ金融・デジタル経済・イノベーション担当副大臣は「世界初となるコミュニティー所有銀行の所在地になることを光栄に思う」と述べた。

Founders Bankは、ブロックチェーン・システムで運営され、デジタル株式のトークン所有者によって運営される。欧州連合(EU)の承認が得られれば、法的拘束力のある銀行として営業することができる。株式トークンの販売は、ドイツのNeufundを介して2018年末に販売され、銀行開設は2019年前期に予定されている。

参考:Bloomberg

コインベース(Coinbase)が銀行業免許問題で米通貨監督庁と前向きの話し合い

一方、サンフランシスコのユニコーン企業である世界大手取引所Coinbaseは、設立当初から「ビットコインバンク(bitcoin bank)」を夢見て、1500億ドル(約16兆円)相当のデジタル資産を取引して、2000万ユーザーを確保している。

Coinbaseは2018年5月、米国の規制当局者と銀行業の免許を取得する可能性について協議したと伝えられた。報道によると、Coinbaseは米通貨監督庁(OCC)の当局者を訪れたという。Coinbaseは深くコメントを避けたが、緊密な協議の結果、ライセンス取得を確信できるような話し合いを持ったとの声明を出している。

連邦準備制度理事会(FRB)は、Coinbaseに対して銀行業のさまざまな機能を提供する立場にある。

ライトコイン財団やXAPO、Circleなども同様の動き

またライトコイン財団(Litecoin Foundation)はBinanceの発表数日前、ライトコイン財団とTokenpay提携締結後、TokenpayからドイツのWEG Bank AGの9.9%利権を買収したと発表した。目指すのはBinanceと同様で、3社(ライトコイン財団、TokenPay、ドイツWEG)が顧客にブロックチェーンと仮想通貨のソリューションを提供するもの。

仮想通貨ライトコイン(LTC)の発明者で財団のマネジングディレクターであるチャーリー・リー氏は、「私は将来、WEG BankとLitecoinそして提供すべきあらゆるサービスを統合し、誰もがライトコイン(LTC)を購入、利用できるよう簡素化することを夢見ている」との抱負を語った。

これまでにはない高額のマネーを動かす企業は、目に見えて増えている。スイスのビットコインのオンラインウォレット企業Xapoが好例で、5カ国で約100億ドル相当のデジタル資産を運用している。モバイル決済のCircle(サークル)で知られるCircle Internet Financial Ltd.は、銀行業で州免許ではなく米連邦の認可を取得することに意欲的である。

(フリージャーナリスト、大手マスコミOB記者:長瀬雄壱)

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参考:Bitcoin.com

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