仮想通貨は「脅威」とナスダック&バンク・オブ・アメリカの両CEOが規制強化を呼びかけ

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仮想通貨は「脅威」とナスダック&バンク・オブ・アメリカの両CEOが規制強化を訴える

株式市場と金融を代表するナスダック(Nasdaq)とバンク・オブ・アメリカ(以下BoA)の最高経営責任者(CEO)が、仮想通貨市場に警鐘を鳴らし、取引規制を呼び掛け、犯罪を助長する可能性を警告した。この件に関してBloombergが詳細に報じた。

ナスダックのアデナ・フリードマン、BoAのブライアン・モイニハン両CEOが2018年4月27日、ニューヨークで開かれた「MIT Slon School of Mnagement」主催の会議で発言した。

仮想通貨については、かねてから様々な有力者が賛否両論を展開してきたが、今回の2人の発言は、そのタイミングから見て、ICO(Initial Coin Offering)は証券扱いするどうかなど、規制当局に少なからぬ影響を与えそうだ。

「ICO=証券」と主張するSECに味方?

フリードマン氏は、ICOは証券法の規制を受けるべきであると主張した。米証券取引委員会(SEC)のジェイ・クレイトン委員長は、一貫して「ICO=証券」と主張してきた。SECはこれまで、ICOを発行する方法に関連して、企業に召喚令状を出してけん制している。SECは同時に、ICO発行に伴う「風説の流布」にも警告を発している。

フリードマン氏はスピーチの中で、個人投資家の保護の必要性を説き、BoAのモイニハン氏は仮想通貨が違法な理由で利用されることに対し警告した。モイニハン氏はさらに「高額紙幣が存在しない理由の1つは、大量の不法マネーを移動しやすい心配があるからだ」と説を根拠にして、デジタル通貨が匿名で扱えれば、その差はなくなると警告している。

モイニハン氏は「匿名通貨の構想は、これまで良い結果を生んだことはない。投資家はまさに潜在的なリスクを負っている」と語った。一方、フリードマン氏は前日、「ナスダックはやがて独自の仮想通貨取引所開設を検討することになる」と語ったばかりで、今回の踏み込んだ発言との整合性がどうなのか注目される。

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ウォールストリートは仮想通貨の評価で真っ二つに割れる

ウォールストリートのビジネスリーダーたちは、仮想通貨をイノベーションの産物として受け入れるべきか、それとも世界の金融システムの脅威として抑制すべきか、見解が真っ二つに割れている。

そんな中で、BoAは概してビットコインを受け入れない方針を貫いてきた。例えば、BoAは2018年初めに、顧客のための特定の投資を手助けすること拒んだが、競争銀行であるゴールドマン・サックスは、クライアントの取引を処理することに関心を示してきた。

BoAは先立つ2018年2月22日、SECに報告する年次報告書を公表している。その中でBoAは、新年度に直面するだろう経済、地政学的、業務上のリスクの中に初めて、仮想通貨を取り上げている。BoAは、仮想通貨が広く採用され、フィンテックのイノベーションが進んだ結果、既存の銀行サービスをアップデートするため、「かなりの額の支出」を迫れていることを指摘している。

BoAはまた、仮想通貨やその他新規テクノロジーによって、マネーロンダリング防止のための規制に準拠する同行の能力の限界もありうるという。同行はすでに、自社発行クレジットカードによる仮想通貨購入を禁じている。

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ICOは、言うまでもなくベンチャーが資金調達あるいはビジネスに供する目的でトークンを発売することだが、これまでに米規制当局者から繰り返し警告を受けてきた。規制当局者が警告する内容は、多くのトークンが結局は未登録の証券ということが理由で、買い手に損害を与え、傷つけることになるというものだ。SECのクレイトン委員長は、仮想通貨空間でこれまでにどれほど大きな詐欺事件が起きているか「私はショックを受けている」と語る。

ICOを含めた仮想通貨の規制をめぐり、米国の動きを注目していきたい。

(フリージャーナリスト、大手マスコミOB記者:長瀬雄壱)

参考:
Bloomberg
NEWSBTC

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