経済学者タレブ氏がビットコイン(BTC)を「価値がなく、通貨として失敗」と批判

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経済学者タレブ氏がビットコインを「価値がなく、通貨として失敗」と批判

レバノン生まれの著名な米経済学者で予測不可能な出来事をまとめた著書「ブラックスワン(Black Swan)」の著者であるナシム・ニコラス・タレブ(Nassim Nicholas Taleb)氏はこのほど、ビットコイン(BTC)は何らの価値もなく、通貨として失敗したと主張する論文を発表しました。

タレブ氏がビットコインを「価値ゼロ」と断じる理由を紹介します。

ビットコインは通貨として失敗、金と並置できず価値の保存とはならず

タレブ氏は「ビットコイン、通貨、バブル」と題する6ページの論文の中で、まず第1に、「ビットコインが通貨であることに完全に失敗した事実は、貨幣価値のインフレーションによって隠蔽され、多くの人々に利益を生み出し、有用性をはるかに超えて話題になっている」と説明しています。

タレブ氏は第2に、ビットコインは短期的にあるいは長期的な観点からして「価値の保存」にはならないと主張しています。つまり金(ゴールド)とビットコインを同列での比較対象にするには不十分であり、「金やその他貴金属は概してメンテナンスフリー、すなわち歴史的に価値が崩壊することはなく、経時的にその物理的特性を新たにするといったメンテナンスを必要としない。仮想通貨はその点で、持続的な一定の関心を示すことが必要になる」と説明します。

インフレヘッジとはならずブロックチェーン技術の有用性も否定的

以上2つの観点からタレブ氏は、最終的に2つの結論を導きます。すなわちビットコインは、一部アナリストが主張する信頼できるインフレーションヘッジではなく、また投資のための安全な避難先でもないと主張します。

タレブ氏は、ビットコインの能弁な批評家ですが、この論文はまたブロックチェーン技術も同時に批判します。同氏はブロックチェーン技術が有用性に欠けることを批判して、「優れたテクノロジーが有用であることを意味しないならば、われわれが優れたテクノロジーを取得している証拠はない」と、皮肉な評論を展開しています。

ビットコインはポンジスキームと断言

タレブ氏は4月、CNBCとのインタビューで、ビットコインは詐欺の一種のポンジスキームであると語りました。

一方でかつて同氏は2017年、経済学者サイフェディアン・アンマス(Saifedean Ammous)氏の著書「ビットコイン・スタンダード(Bitcoin Standard)」の序文を寄稿し、「ビットコインは優れたアイディアである。それは複雑なシステムのニーズを満たしている。何故ならば、ビットコインはその行く末を決定するオーナーも権力者もいない」と書いています。

ビットコイン(BTC)の価格・相場・チャート

参考
Bitcoin, Currencies, and Fragility

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長瀬雄壱
フリージャーナリスト、大手マスコミのOB記者。在職中は社会部、科学部、外信部で記者活動を行なう。特に外信部では、10年余り海外特派員(3カ国)を務め、国際関係、政治、経済、社会、戦争取材など、あらゆる分野で記者活動を続けた。翻訳業務経歴は約50年あり、今でも海外ニュースを深くモニターしている。