NY連邦地裁が「ICOは証券法の規制対象」と初の判断、業界に大きな影響及ぼすか

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NY連邦地裁が「ICOは証券法の規制対象」と初の判断、業界に大きな影響及ぼすか

ニューヨーク東部地区連邦地裁は20018年9月11日(日本時間9月12日)、ICO(Initial Coin Offering)トークンの発行は米連邦証券法の規制対象になるとの初の判断を示した。この裁定は、ICOが証券か否かの米証券取引委員会(SEC)と業界の論争に大きな影響を与えそうだ

ICOトークンは通貨であり証券ではないとの弁護側の主張退けられる

連邦地裁のレイモンド・ディアリー(Raymond Dearie)判事は、不正(詐欺行為)なICOトークンを発行・販売しようとして逮捕されたマクシム・ザスラフスキー容疑者に対する審判の中で、そのような判断を下した。同容疑者は関連する2社を登録して、REcoinを含む数々のICO発行詐欺容疑で30万ドル(時価約3,330万円)余りを詐取した容疑でSECから訴えられていた。

ザスラフスキー容疑者は、不動産ベンチャーとダイヤモンド事業という、ありもしない2つの事業関連のICOトークンを発売して、証券法違反容疑で逮捕、告訴されたもの。弁護側は、ICOは通貨であり証券ではないので、証券法に触れないとのことで、裁判は無効とするよう請求していた。

ディアリー判事は「被告側の主張は、証券法による規制および犯罪に対する国の執行を回避するには明らかに不十分である。被告側の告訴は、憲法および連邦民事訴訟規則に照らして不十分であり、訴えを棄却する」として、検察側の請求通りの容疑で裁判に入ることを決定した。

ディアリー判事「証券法を制定した目的は投資を規制すること」と裁定

弁護側は「証券法の適用は、憲法に反して曖昧である」と主張したが、ディアリー判事は「証券法を制定した米国議会の目的は、投資を規制することであった」と述べて主張を退けた。

特筆すべきことだが、同判事は、ICOが証券であるかどうかについては直接の判断を避けた。その代わり、「その問題は、陪審に提出されるすべての証拠に基づき、裁判でのみ正当化される」と述べた。

同判事はさらに、「論争対象の投資計画は証券ではないというザスラフスキー容疑者の主張は、Howey(ハウェイ)テストで定義されるべきである」と付け加えた。また、最終的な判断は陪審にあり、弁護団は証券法の権限が及ぶ法域に関する最終判断を法廷で争うことができると述べた。

(フリージャーナリスト、大手マスコミOB記者:長瀬雄壱)

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参考
REUTERS
Coindesk
CCN