NY証券取引所オーナー会社ICEがビットコイン取引プラットフォームを開発中か?

5295

編集部ピックアップ

NY証券取引所オーナー会社ICEがビットコイン取引プラットフォームを開発中か?

ニューヨーク証券取引所(NYSE)のオーナー会社であるIntercontinental Exchange(ICE)が、大口投資家向けにオンラインによるビットコイン取引プラットフォームを開発中である、とニューヨークタイムズ紙(以下:NYタイムズ)が伝えた。

同紙によると、このプロジェクトはなお極秘扱いになっているが、その計画を知る4人の電子メール、文書や会話から得た特ダネ情報だという。

ウォールストリートの金融機関、大手企業が独自プラットフォーム開発へ

NYタイムズによると、取引プラットフォームの詳細はまだ確定してはおらず、ビットコイン(BTC)に対する金融面からみた否定的な評判に対する懸念から、サービス開始は様子見の状態である。ICEスポークスマンは、プラットフォームに対する同紙の問い合わせに「ノーコメント」を繰り返しているという。

計画が実現すれば、ICEは仮想通貨取引を受け入れる初の世界的規模の取引所となる。ウォールストリートの大手企業は、すでにその種のアイディアを開発中である。例えばゴールドマン・サックスは5月初め、ウォールストリートで始める事業としては初となる、ビットコイン・トレーディングデスクを設けると発表している。

仮想通貨投資の大手ファンドであるBlockchain Capitalのパートナーであるスペンサー・ボガート氏は、CNBCの番組で、ウォールストリートの他の銀行も同様の措置を取るだろうとの考え方を示した。同氏は「この市場は極めて大きく、もはや無視できなない。ウォールストリートの多くの銀行は、ゴールドマン・サックスに倣って市場に参入しなければ、一部の企業がウォールストリートの大手銀行を追い抜く可能性さえある」と述べた。

ウォールストリートはビットコイン(BTC)との付き合いに「ウォーミングアップ中」

NYタイムズによれば、ウォールストリートの大手企業は、ビットコインとどのように向かい合うか「ウォーミングアップ中」という。その中でICEの新しい事業は、取引終了時点で顧客アカウントに実際にトークンを送り込むことによって、ビットコインにより直接アクセスできるようにする。

同紙によると、ゴールドマン・サックスやICEは、これまではハイリスクで投機的投資対象であったデジタルトークンの主流になるとの劇的な転換を試みようとしている。

同紙によると、ICEはほかの金融機関と協議を続け、銀行間スワップ(swap)取引の形で契約を進め、翌日には顧客のアカウントにビットコインが支払われる方式になる。スワップ契約はドルの直接取引より複雑だが、取引が商品先物取引委員会(CFTC)の規制を受け、既存の法律に基づいて行われるという利点がある。

ナスダック(NASDAQ)のアデナ・フリードマンCEOもまた、規制上の問題さえ解決すれば、仮想通貨取引所を創設したいと語っている。規制上の問題が解決すれば、これまで取引を避けてきた投資信託や年金基金など機関投資家が取引に参入する可能性さえある。

関連:ナスダックCEOが仮想通貨取引所の開設を検討と明言、Geminiと協業も発表

懐疑的意見がある中で「発想の転換」進む

仮想通貨については、主流となる金融世界でなお懐疑的意見がある。この数日でも、バークシャー・ハサウェイ会長兼CEOで筆頭株主のウォーレン・バフェット氏は「ビットコインは2乗された殺鼠剤」と評し、マイクロソフトのビル・ゲイツ氏も「ビットコインはできればショート(売り持ち)にしたい」と語った。

他方、ゴールドマン・サックスの元トレーダーで、唯一スワップ取引を提供する取引所LedgerXの創業者であるPaul Chou氏は「大手機関が関わり合う道は開けている」と、次のようにコメントとしている。

「業界はビットコインの歴史上初めて、前例のない組織レベルの関心を示している。仮想通貨の最も強力な信者が、最も懐疑的な姿勢で事を始めることはよくあるが、それは健全な懐疑心と言うべきだ。ある時点で、考え方が変わるということは、多くの組織にとって『やっとそこまで来たか』との思いである」

(フリージャーナリスト、大手マスコミOB記者:長瀬雄壱)

参考
NEW YORK TIMES
Cryptovest