8月26日(日曜)に、東京・本郷を拠点にするブロックチェーンスタジオHashHubにて、『オフチェーンアカデミーハックデーβ』が開催されました。
オフチェーンアカデミーハックデーβは、Lightning Networkなどの先端技術を研究する今井崇也氏が、ドイツのベルリンで開催されたLightning Hackday @ベルリンに触発されて開催をしたことがきっかけだといいます。
目次
オフチェーンについての知識をおさらい
オフチェーンとは、いわゆるセカンドレイヤーなどと言われるものなどを含め、ビットコインのブロックチェーンの外でトランザクション処理能力の拡張や、機能拡張を試みる技術アプローチを一般的に総称します。
今後、ビットコイン(BTC)やライトコイン(LTC)、またEthereumなどもブロックチェーン上で処理するトランザクションを抑え、変わらず第三者への信頼をせずに、オフチェーン(ブロックチェーン外)で拡張するための技術提案が多く行われています。
その技術提案には、様々なものがありますが、例えば、ビットコインにはLightning Network、EthereumにはPlasma、Raiden Networkなどが挙げられます。
今回のイベントは、その中でも特にLightning Networkに焦点が当てられたものです。
簡易的にイベントレポートを行います。
オフチェーンアカデミーハックデーβ:イベントの様子
今井氏による挨拶でイベントが始まり、『Lightning Network』の簡単な説明と、Lightning Networkによってできることを説明しました。
Lightning Network(ライトニングネットワーク)によってできること
Lightning Networkは双方向のペイメントチャネルです。これによって、手数料が極めて安い送金が可能になり、1円以下のマイクロペイメント(少額決済)が可能になります。
マイクロペイメントによってどのような経済圏が創出されるかは、これからの段階ですが、例えば動画の視聴数秒ごとに課金をする形態や、ゲームをプレイするとき1コマンドごとにごく少額が課金したりできるのではないか、と様々な議論がされている最中です。
LAppsのアプリケーションの紹介
その後は、新井氏による『LApps』のアプリケーションの紹介が行われました。Lappsとは、Lightning Networkを利用したアプリケーションの略称で、今年に入ってから様々なものが実験的に生まれています。
- 1ピクセル1サトシで書き込みができる落書き掲示板のSatoshis Place
- ゲーム的なLightning Gem
- Lightning NetworkベースのペイウォールであるLightning Publisher Paywall
- APIを叩くごとに少額の課金ができるPayPercall
より詳しい当日のスライドはこちらで公開されています。
https://speakerdeck.com/araiosushi/lappsshao-jie
この発表を聞いたあと会場ではグループに別れ、将来Lightning Networkでどのようなことができるか議論をし、10分程度の議論のあとに、グループごとに発表をするアイデアソンを行いました。
アイデアソンのあとにイベントの締めくくりに、オフチェーンの技術についてさらに2つのライトニングトークが行われました。
HTLC入門 と、Discreet Log Contracts(DLC)の発表が行われ、盛況に終了をしました。
オフチェーンアカデミーハックデーβに参加した感想
本イベントを開催した主催の今井氏は、ベルリンのLightning Hackday触発をされたといいますが、ベルリンはグローバル全体でブロックチェーン業界を見渡しても、特に開発者コミュニティの層が厚い都市のひとつです。
そういった場所からインスピレーションを受けて、イベントが開催されることは日本の開発コミュニティにとっても刺激になりそうです。
すでに次回の開催も9月29日に企画されており、こちらで申し込みを受け付けています。
Lightning Networkをはじめとしたビットコインの先端技術に興味がある方はぜひ参加をしてみては。
参照:オフチェーンアカデミーハックデー(Off-chain Academy Hackday)
また、今回会場になったHashHubはブロックチェーン業界で働く人のためのコワーキングスペースも運営をしています。
関連:ブロックチェーンを愛する者たちよ、東京に集結せよ!スタジオ型コワーキングスペース「HashHub」