仮想通貨の相対取引が大ブレーク?リスク回避にSkype(スカイプ)取引が目立つ

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仮想通貨の相対取引が大ブレーク、リスク回避にSkype取引が目立つ

仮想通貨取引所のリスクを回避して、売り手と買い手が対面して直接取引する「相対(あいたい)取引」が広がっていると、ロイター通信やBitcoin.comなどが伝えている。相対取引は、正式には「OTC(Over-The-Counterの略=店頭市場)取引」のこと。

その筋のディーラーによると、1日の相対取引額は今や1億ドルを超えているという。相対取引は特に、インターネット電話Skype(スカイプ)を通じて行われている。仮想通貨取引所を利用しないこのような取引は、主としてハッカーや詐欺など、最近目に余るリスクを避けたい大手投資家に人気だという。

相対取引の大半はSkypeなどのメッセージングサービス

OTC市場すなわち店頭市場は本来、証券取引所を介さず証券会社や金融機関の店頭で行われる取引のことだが、売り手と買い手が仲介者を入れず、双方の合意で価格・数量・決済方法などを決める取引もある。具体的には、債券や外国為替、デリバティブなどの取引で、金融機関などと顧客の間で売買契約を結ぶ方式である。

「相対取引」と言えば、築地市場など水産物の卸売りで見られる「競(せ)り」を思い起こす。売り手と買い手との信頼に基づく伝統的な、温もりを感じる取引法である。ロイターによれば、相対取引が始まったのは5年前頃からで、約20人のトレーダーが富裕層、ビットコインマイナー(採掘者)、決済業者、ヘッジファンドを相手に、日々数千万ドルの取引を成立させている。以来、取引量は前年比10倍に増加、その大半がSkypeなどメッセージングサービスを利用しているのだ。

一部ディーラーは、毎日1億ドル余りの取引をするのも珍しくなく、取引所のGenesis Global Tradingは、1日あたり平均7500万~8000万ドルの取引を扱い、2017年12月には15億ドル~20億ドルの月間記録を達成した。

相場を動かし、急落なしの大口取引にはOTCデスク利用

仮想通貨に特化したヘッジファンドであるガロワ・キャピタル(Galoir Capital)創業者のケビン・シュー氏は「相場を大きく動かし、急落を起こさずに大口取引をしたい時には、相対取引(OTC)デスクを介すのが一般的になっている」と言う。

また、カンバーランドのグローバル・トレーディング責任者のボビー・チョー氏は「われわれはグローバルで無料に近いツールを必要としており、Skypeはまさにそれを提供してくれる」とコメントしている。

例えば、Genesis Global Tradingの1日平均の取扱高は7500万~8000万ドルとなり、1年前の10倍に増えている。OTC取引の決済は、銀行振り替えで行われ、仮想通貨はデジタル・ウォレットに送金される。

相対取引はメリットとともに、リスクも考えることが必要

2017年以来、オンライン取引所では大規模なハッカー攻撃が相次いでいる。相対取引(OTC取引)の魅力は一層高まるが、OTC取引ならではのリスクも無視できない。マネーロンダリング(資金洗浄)に不正盗用されない保証はなく、ディーラーが取引相手を十分チェックしてくれることを信頼するしかない。

さらに、この周辺の事業が拡大しているにもかかわらず、規制当局は仮想通貨取引のルールを依然として明確にしておらず、OTCデスクは手探りの状態に置かれたままだ。金融機関に一切任すのではなく、OTCデスクが仲介するにしても、売り手と買い手が対面して取引できる魅力は大きい。これからも伸びる取引法となりそうだ。

(フリージャーナリスト、大手マスコミOB記者:長瀬雄壱)

▼参考
Bitcoin.com
ロイター

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