テザー社と同様にイーサリアム上でUSDにペッグするステーブルコインPAXを発行するパクソス(Paxos)は、ニューヨーク州金融監督局により承認されたイーサリアムベースの”1トロイオンスにペッグするPAXG”をローンチ。ゴールド投資家の仮想通貨への参入を狙う。
出典:New York State Department of Financial Services
ゴールド現物に裏付けされた仮想通貨
PAXGのゴールド仮想通貨は、米国の警備企業でニューヨーク証券取引所に上場(BCO)しており、S&P400のインデックスにも名を連ねるBrink’sのロンドン金庫にて現物が保管される。
Paxosの最高経営責任者(CEO)であるチャールズ・カスカリラ(Charles Cascarilla)氏によると、「(PAXGは)金融商品を示すのではなく、本物の法的所有権だ。イーサリアム上でゴールドを手軽に送金、分割ができるようになった」とCoindeskの取材に述べている。
ゴールド現物での買戻しも可能
さらにPAXGの特徴として、1トークンは1トロイオンスゴールドに比例。つまり、9月6日現時点では162,500円となる。またニューヨークの金属販売業者のブリオン・エクスチェンジ(Bullion Exchanges)などの提携により、ゴールド現物に交換することも可能だ。
カスカリラ氏によると、「今後Paxosは各国の金属販売業者との提携を行い、PASGを保有しているユーザーがロンドンやニューヨークにいなくとも本物のゴールドと交換できるようにサービスを拡大する」としている。
PAXGのレンディングサービス
米国のリセッション警戒や、米中貿易戦争による中国の人民元操作などにより、ゴールド価格は約6年ぶりに市場最高値を更新し、165,200円を記録した。安定資産であるゴールドの需要が高まる一方、ドルや国債などのように金利が発生しない。
対してPAXGはレンディングサービスのSALTと定形し、PAXGのレンディングを開始、つまり、ゴールドで金利を得ることができるのだ。Paxosはイーサリアムの利便性と、既存のゴールドカストディや販売所と定形していくことで、ゴールド投資家やトレーダーなどの仮想通貨への参入を画策している。
Starting October 1st, SALT users will have the ability to use the newly released PAX Gold (PAXG) as collateral for a crypto-backed loan.
Learn more about @PaxosGlobal‘s latest token and how it can be utilized on our platform below.https://t.co/G3tFEOL3Pu
— SALT (@SALTLending) September 5, 2019
https://platform.twitter.com/widgets.js
参考:Paxos Launches Gold-Backed Cryptocurrency
【こんな記事も読まれています】
・次はゴールド裏打ちの仮想通貨?テザー社が新たなステーブルコイン構想を検討
・「価値の保存」としてビットコイン(BTC)はゴールドに勝る?
・ステーブルコイン発行者のゴールドのトークン化計画、コモディティのトークン化によるメリットとは?