イーサリアムのエコシステムで機能するコミュニティ基金「Moloch DAO」の可能性

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イーサリアムのエコシステムで機能するコミュニティ基金「Moloch DAO」の可能性

コミュニティ基金のMoloch DAOとは?

モロク・ダオ(Moloch DAO)がイーサリアム(Ethereum)の開発者への支援手段の一つとして機能し始めています。

Moloch DAOとは、コミュニティ基金とでも呼ぶべきようなDAOの仕組みです。Moloch DAOでは、あるスマートコントラクトのアドレスに寄付金を誰でも入れることができ、寄付金の額に応じた議決権を各参加者が持って、基金のお金をどのように使うかスマートコントラクトで決定、支払いの実行をする仕組みです。

このMoloch DAOの基金には、これまで130万ドル(約1億4,000万円)が寄付され、うち120万ドルの資金が支援に使われたとされています。

支援を受けたうちのプロジェクトの67%がEthereum2.0関連のプロジェクト、その他20%がなにかしらのイーサリアム関連のプロジェクトであるとしています。

主には企業のスポンサーがついていないオープンソースのプロジェクトで、これに対して、コミュニティで寄付金を使用する方法として使われています。独立したオープンソースの開発をする場合、問題になるのはその開発をする間の開発者の給与をどのように賄うかということです。

そもそもブロックチェーンのクライアント自体も、この問題にあてはまり、ビットコインやイーサリアムのノードクライアントは絶対に必要なものであるにも関わらず、開発者が直接収益を得れるような仕組みにはしずらいという課題があります。

Moloch DAOは、これをコミュニティで運営するスマートコントラクト基金で解決するというアプローチです。イーサリアム創設者のヴィタリック・ブテリン(Vitalik Buterin)氏や、コンセンシス(ConsenSys)の創業者であるジョセフ・ルービン(Joseph Lubin)氏もこのMoloch DAOに寄付をしています。

本コラムのユーザーである読者も、イーサリアムのエコシステムに貢献したい場合、基金に参加することが出来るので調べてみると良いでしょう。 Moloch DAOに関するより詳しい解説はこちらで行っています。

スマートコントラクトのコミュニティ基金の可能性

支援金だけの議決権を持ち、執行は自動で行え、お金は誰にも持ち逃げされないということが可能になることで、世界中の顔も名前も知らない人たちが集まり基金を作れるということが既に起こっています。これもブロックチェーンのユースケースの一つとして確かなものでしょう。

Moloch DAOの仕組みはイーサリアムのエコシステム内での基金ということのみで現在は稼働していますが、その他にもさまざまな応用ができるはずです。例えば、難民支援の基金がスマートコントラクトの支援金プールで運営されることも想定ができます。

議決権情報などは公開され、支援先のアドレスや、トランザクション情報も可視化されるので、透明性のある議論と資金の支払いが期待できます。また、 Moloch DAOのスマートコントラクトをさらに改良して、議決権の重みを変えたり、委員会の設置や選出方法などを加えて、それらもスマートコントラクトで制御することは想定できます。これらの応用モデルなども時間の問題で登場されるだろうと予想されます。

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