R3がブロックチェーンファイヤーウォール機能を備えた“Corda Enterprise”をローンチ

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R3が初のブロックチェーンファイヤーウォール機能を備えた“Corda Enterprise”をローンチ

1年以上の開発期間を経て『Corda Enterprise』が公開された。

先日(7月10日)アナウンスされたように、ブロックチェーンスタートアップ企業R3は、同社独自のオープンソースブロックチェーンCordaの有償版をリリースした。このブロックチェーン技術には、24時間365日のサービスや災害復旧のように、規制対象企業向けの機能が追加されている。

この重大発表は、R3による1億700万ドルの資金調達の13ヵ月以上経った後に行われた。当時、R3は調達した資金を同社の製品に割り当てると発表していた。

さらにR3は人員と資源を投入し、R3のオープンソースコード上にシステムを構築するために必要な開発期間に終止符を打つ予定だ。

Corda有償版の機能、その特徴とは?

R3は、Corda Enterpriseプラットフォームの有償提供の一部として、「初のブロックチェーン・アプリケーション・ファイヤーウォール」だと宣伝している機能をリリースする。この機能は、R3が前進するための一歩でもある。

従来のファイヤーウォールとは異なり、このブロックチェーン・ファイヤーウォールは、さまざまな環境で動作し、ネットワークからの異なる情報を必要とするブロックチェーンノード間の通信を制限するCordaの仕組みを指している。

同社によると、例えば、多くのCordaユーザーは、高度なセキュリティによって保護されたデータを保有しており、ファイヤーウォールの背後で既存のインフラストラクチャーを運用している。このような状況は、相互運用性にとっての障壁となり得る。

R3でCTOを務めるGendal Brown氏は、彼のチームが閉じられた環境および開かれた環境で動作しているCordaのノード間で、必要に応じてできる限り接続可能にすることで、「両方の世界にとって最も良い状態を達成」することができると考えていると述べた。

Brown氏はCoinDeskに対してこのように語った。

「ブロックチェーンのノードは企業のコアシステムに接続する必要があるが、非常に複雑なネットワークアーキテクチャの中で、ネットワークを越えたノードとも接続できる必要がある。これがジレンマだ。」

そのためBrown氏は、このファイヤーウォールは、「Cordaノードを外部のノードから守りつつ、通過して良いトラフィックだけを通過させることを可能にする。」と述べた。

R3は、資金不足に陥っていると報告されていたが、クリエイティブなオープンソースコミュニティを構築しているとも見られていた。Corda Enterpriseは、そのようなR3が一気に上昇していくための鍵となることが期待されている。

Brown氏は、「私たちは、このプロジェクトがプレスリリースを行った際、Cordaの用途について初めて多くの質問を受けた。またSlackのチャンネルにも質問が来ている。」と話した。

新しいブロックチェーンファイヤーウォールの仕組み

このように、R3とBrown氏は、このブロックチェーン・ファイヤーウォールが、そのような機能を実現するには個別にカスタマイズしなければならなかった従来のオープンソースブロックチェーンと比較して、企業に対するCordaの魅力を更に高める特徴になると宣伝している。

Brown氏は、既存のブロックチェーンは、将来的な相互運用性や資産の移動性を持たず、単一のアプリケーションおよびネットワークを備えたスタンドアローンのソリューションとしてデプロイされているか、あるいは管理する対象が実際は企業のコアシステムではないかのどちらかだと述べた。

このブロックチェーンファイヤーウォールの仕組みは、Enterprise Cordaのノードが、インターネットから閲覧可能なネットワークの外、Brown氏の例えによると「非武装地帯」に例えられる場所にも設置可能だという点にある。

「この小さな封鎖された部分は非武装地帯の中で厳重に守られており、小さなへその緒のような部分だけが企業のデータを出し入れすることができる。このようにノードを2つの部分に分割することがCordaのブロックチェーンファイヤーウォールであり、私たちはこれが革新的だと考えている。」とBrown氏は述べた。

しかし、顧客への価値を付加するだけではないというR3の考えは明確だ。

このコンソーシアムが商用配布を進める中で、包括的な動機の1つは、エコシステムの拡大に伴って、オープンソースのCordaが、よりオープンなブロックチェーンとしてある種のネットワーク効果を産み、相互運用性を保証することだ。

R3のCTOが語るCordaの今後

相互運用性について強く考慮するこのような動きは時期尚早であるように思えるかもしれないが、Brown氏は今がその時だと反対する。

相互運用性の質問に戻り、Brown氏は、既存のシステムとデータを交換できるようにすることの必要性を訴え、企業向けブロックチェーン市場がじきに少数のプラットフォームに統合されていくだろうと予測した。

Hyperledgerとの取り組みを例として挙げながら、このように自身のオープンソースプロジェクトおよび企業にデプロイされたネットワーク、そしてその他のプラットフォームとの間で、Cordaは複数の方法で相互運用することが可能だとBrown氏は主張した。

市場が成熟するに従い、相互運用が不可能なオープンソースのフォークとしてブロックチェーンを販売するベンダーを、顧客は許容しなくなるだろうとまで彼は述べた。

「もし私が、一連のCordaのノードを左側に、そしてまた別の一連のノードを右側にデプロイしたとして、それらのノードが相互運用できないとすればそれは悲劇だ。」とBrown氏は語った。

このようにBrown氏は、このニュースが、時が来ているにも関わらず躍進することができていない企業に対する目覚ましの役割も果たすだろうと述べた。

Brown氏はこのように結論づけた。

「これは、私がその他のプラットフォームで見てきたことだ。単一のアプリケーションと単一のネットワークを持つスタンドアローンタイプのデプロイには、資産を自由に動かすことのできない世界をもたらす危険性があり、それこそが私たちが取り除こうとしていることだ。」

関連:ブロックチェーン技術企業R3に倒産の噂?

参考:Coindesk

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