米証券取引委員会(SEC)のリップル社提訴に業界が反応、擁護の声も

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米証券取引委員会(SEC)のリップル社提訴に業界が反応、擁護の声も

米証券取引委員会(SEC)がリップル(Ripple)社発行のXRPを証券であると最終的に断じて、未登録の証券を発売して証券法違反の疑いで提訴したとのニュースは、暗号資産(仮想通貨)業界にたちまち大きな反響を呼んでいます。

XRPはすでに、投資家から同様の理由で訴えられていますが、SEC自体が裁判に持ち込むことは異例の事態です。

そんな中で、長年どちらかと言えばXRPに批判的だった仮想通貨リサーチ企業メサーリ(Messari)のライアン・セルキス(Ryan Selkis)最高経営責任者(CEO)が、いち早くリップルを支持する発言をして注目されています。

SECがXRPを証券であるとする根拠はハウイーテスト

SECはこれまで、XRPが証券であるとの見解を貫いてきました。一般投資家もXRPの売買で損失を招いたとしていくつかの訴訟を起こしています。SECはXRPが証券であるとする1つの根拠として、ハウイーテスト(Howey test)を挙げています。

ちなみにハウイーテストとは、ある取引が「投資契約」という証券取引法の定義に該当するかどうかを判定するテスト。1946年のHowey社訴訟事件の際、裁判所は「投資契約」の判断基準として定めました。いくつかのICOプロジェクトがこのテストを受け、「証券性」が検証されています。

XRPに批判的だったメサーリ社CEOが「ハウイーテストは時代遅れ」と批判

セルキス氏はこれまで、XRPは中央集権型であり、国際決済のツールとして利用することに疑問を呈してきました。しかし、今回の訴訟でSECがXRPを証券と見なす根拠であるハウイーテストがデジタル時代にあっては全く時代遅れで信用できないことを示す絶好の機会であると、次のように語りました。

「無資格投資家に対するSECの規整、奇妙なハウイーテスト、すべて焼却して破棄すべき80年前の1940年投資会社法。これらすべてはデジタル時代にあっては完全に時代遅れとなっている。私はリップルが勝訴するとことを望む」

セルキス氏はさらに、「自主規制し、モラル基準を高く維持することは、業界の義務である」として、人々や企業は資産に関して「スイスの中立的スタンスを受け入れる」と語ります。その上で同氏は、「ハウイーテストは完ぺきではない。リップルは新しい前提を設定することができる。リップルは、XRPがブリッジアセットとして利用されると(主張)するのは賢明である」と述べています。

業界の利益のためにもリップル社の勝訴を予想

セルキス氏は、仮想通貨市場のほかのプロジェクトや企業のためにも訴訟することが重要だとし、XRPが証券ならば、ほかの資産も同じ運命になりうるため、リップルは少なくとも裁判で戦う意義があると主張しました。

同氏は長期的な見通しとして、「最終的に、米国政府は(金に卵を産む)ガチョウを殺すことはしないだろう。米国にとって、遠からず自己の利益を守ることになる。リップルは勝訴し、マーケティングにさらに積極的になるだろう」と結論づけています。

リップル社のブラッド・ガーリングハウス最高経営責任者(CEO)は、一貫してXRPが証券ではないと主張してきました。同氏はさらに今回に先立って、リップル社が日本を含むいくつかの国に移転せざるを得ない状況になるかもしれないと語っていました。

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参考
One of XRP’s Biggest Critics Is Standing Behind Ripple in Expected Legal Battle With SEC


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長瀬雄壱
フリージャーナリスト、大手マスコミのOB記者。在職中は社会部、科学部、外信部で記者活動を行なう。特に外信部では、10年余り海外特派員(3カ国)を務め、国際関係、政治、経済、社会、戦争取材など、あらゆる分野で記者活動を続けた。翻訳業務経歴は約50年あり、今でも海外ニュースを深くモニターしている。