ブロックチェーン技術の普及を妨げる最大の障害は規制上の不透明性:PwC調査で判明

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ブロックチェーン技術の普及を妨げる最大の障害は規制上の不透明性:PwC調査で判明

ブロックチェーン技術が企業に普及しない最大の理由は、「規制上の不透明性」つまり適切な規制が不十分であるとの世論調査がまとまった。

会計・アドバイザリー大手の英プライスウォーターハウスクーパース(PwC)が2018年8月28日、「Blockchain is here. What’s your next move?(ブロックチェーンについて、あなたの次に打つ手は?)」との調査報告書を公表した。

普及を阻む最大の障害は規制の不透明さ、次いでユーザー間の信頼欠如

PwCは3-5年先を見通して、世界的規模でブロックチェーン技術の幅広い採用を阻むだろう最大の障害は何かを、世界15カ国の600人の経営者層に聞き取り調査した。対象となった国は米国、英国、日本、中国、オーストラリア、デンマーク、スウェーデン、フランス、ドイツ、イタリア、オランダ、インド、香港、シンガポール、アラブ首長国連邦の15カ国。

その結果、自社がブロックチェーン技術を何らかのかかわりを持っていると回答した人は、84%に達したことが分かった。企業は研究室を立ち上げ、概念実証を試みようとしている。企業人はすべてブロックチェーン技術のことを話題にし、他人より遅れを取ることを欲しないという状況が分かったという。25%は、パイロット事業を実施もしくは実装済みという。

ブロックチェーン普及を阻む最大の障害は「規制の不透明さ」次いで「ブロックチェーンに対するユーザー間の信頼の欠如」そして「ネットワークに接続する能力」が、トップ3に入った。回答者のほぼ半数(48%)が「規制の不透明さ」を挙げ、うち27%が障害の1位の要因と回答した。2位の障害は、ユーザーの間の信頼の欠如(45%)と指摘し、44%が企業間ネットワーク接続の難しさを挙げた。

ブロックチェーン開発で3-5年後までに米国を抜くのは中国

回答者のうち46%は、次の3-5年でブロックチェーン導入をけん引するのは金融業界であると考えている。また、そのポテンシャルがあるほかの業界は、エネルギーや公益事業(14%)、ヘルスケア(14%)、製造業(12%)との結果が明らかになった。

またブロックチェーン開発の市場を牽引していると思う国は、米国と中国が最も多く、それぞれ29%、18%だった。また、次の3-5年で影響力が最も大きくなるのは中国との見方が30%もいた。

ブロックチェーン技術の普及を妨げる最大の障害は規制上の不透明性:PwC調査で判明出典:PwC調査

ブロックチェーン技術開発はITプロジェクトではなくビジネスモデルの転換

PwCブロックチェーンリーダーのスティーブ・デイビス氏は以下のように語った。
「企業はブロックチェーン技術において遅れを取りたくないと思っている。たとえ開発の初期段階にあるとしても、信頼と規制における懸念は残っている。ブロックチェーンはその定義からしても、信頼を生み出すものだ。しかし現実は、企業はほぼ至る所で信頼の問題に直面している」

企業はさまざまな困難に直面しながらも、ブロックチェーン技術開発に遅れまいと努力している。PwCによると、開発の先頭を行く国は米国、次いで中国である。今後3-5年以内に中国は、米国を抜いて先頭に立つ見込みだと予測している。 いずれにしても、ブロックチェーン技術の開発と展開は、「ITプロジェクトではなく、ビジネスモデル、役割、プロセスの転換である」と、デイビス氏は結論付けている。

(フリージャーナリスト、大手マスコミOB記者:長瀬雄壱)

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参考
PwC
Cryptovest
Forbes