仮想通貨取引所へのアクセス情報から考えられる日本国内ブームの正体

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仮想通貨取引所へのアクセス情報から考えられる日本国内ブームの正体

暗号通貨に最も関心が高い国を調査

世界で暗号通貨に最も関心が高い国はどの国か、この問いに正確な指標はなく、しっかりした回答を見出すことは難しいと言えます。

そこで、米暗号通貨メディアのザ・ブロック(The Block)が興味深い調査を行っています。同メディアは、世界で最も主要な取引所48社のサイトを分析して、そのアクセスがどこの国からアクセスされているかを、2018年11月から2019年4月まで6ヶ月間かけて調査しました。

この調査は、アレクサ(Alexa)とシミラーウェブ(Similarweb)という分析ツールを使用しています。これらのツールは、対象のサイトのアクセス数とそのアクセスがどこからされているかを、正確ではないものの、そのおおよそを読み取ることができます。

なお、中国では相当数の暗号通貨取引をしているユーザーが存在することが見込まれますが、これらのユーザーはバーチャル・プライベート・ネットワーク(VPN)接続を利用し、中国国外のサイトにアクセスをしていることが想定されます。つまり、実際は中国からのアクセスであるのに、VPNによって、他国からのアクセスとしてカウントされている部分が多くあるだろうということで、この点についてはデータを読み解くのに注意が必要になります。本コラムでは同メディアによるその調査結果を紹介しながら、その考察を加えていきます。

The Blockによる主要暗号通貨取引所のアクセス解析調査

同調査によると、最もアクセスがあった国のランキングは下記のようになっています。

  1. アメリカ
  2. 日本
  3. 韓国
  4. インドネシア
  5. インド
  6. 中国
  7. ドイツ
  8. イギリス
  9. ロシア
  10. ブラジル

アクセスランキング

さらにこれを各国の人口あたりの割合で、主要取引所に最もアクセスしている国は、下記のようになっています。

国名 総アクセス数 総人口比
シンガポール 730万 131%
韓国 4,500万 87%
スイス 710万 84%
ノルウェー 380万 72%
香港 500万 68%
日本 6,870万 54%
アメリカ 1億6,870万 52%
オランダ 760万 45%
オーストリア 380万 44%
ベルギー 490万 43%

人口比ランキング

日本は本当に暗号通貨に関心がある国なのか

国内総人口比を見ると、日本の暗号通貨ユーザーはアメリカ以上であるという結果になっています。そして、この分析をしている主要取引所のサイトの多くは海外のサイトであり、これだけ日本ユーザーが多いにも関わらず、その多くは海外サイトを使わざるを得ない環境になっていることは残念であると言わざるを得ません。

今回の調査で同じく人口あたりのユーザー数が多い他の国を見てみましょう。日本とユーザーの性質が似ているとよく指摘される韓国では、多くのアルトコインが上場している取引市場としてアップビット(upbit)やビッサム(Bithumb)など複数存在し、ユーザーはある程度は自国の取引所を使用しています。

シンガポールでも最近は、バイナンス(Binance)が法定通貨建ての取引所をオープンするなどの動きもあります。

アメリカでは、コインベース(coinbase)や、ビットレックス(Bittrex)、ポロ二エックス(Poloniex)といった存在感の大きな取引所も存在し、最近はさまざまなコインの新規上場や色々な機能が追加されており、多くのユーザーのニーズを満たしています。

これに対して、日本では厳しい規制の下で直近2年間、国内で取扱いがこれまでなかった新規のトークンやアルトコインは上場しておらず、多くのユーザーは海外取引所に流れている状況が顕著になっています。

それは国内の事業者が得ることができた収益機会を捨てていることでもあり、その後に生む事業者が収める税金の徴収機会も失っています。なにより国内の事業者が成長する機会を阻害していると言えます。

ですが、潜在的に多くのユーザーが存在し、日本国内に産業が育つ土壌があることは、今回のデータからも明らかです。

暗号通貨・ブロックチェーン産業の分野においては、すでに諸外国から大きく遅れていることは否めませんが、今後の動向次第では、環境が変わる可能性があることも期待できるデータであると言えます。

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参考
The Block


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