イギリスの首都ロンドンを拠点とするフィンテックのスタートアップ企業Revolut社はこれまで、アプリを通してユーザーが仮想通貨を購入できるサービスを展開していた。今回、取り扱い仮想通貨の数を増やすため、リップル(XRP)とビットコインキャッシュ(BCH)の追加を発表した。
銀行のような機能をもつモバイル決済アプリ「Revolut」
Revolut社は、ユーザーが自由に仮想通貨を購入および販売できる環境を提供するために事業投資を行なうイギリスのフィンテック系企業である。
同社は、機関投資トレーダーをしていたNikolay Storonsky氏によって2015年に設立された会社で、2017年12月には、銀行のような機能をもつ仮想通貨に投資できるアプリケーションを提供する会社だと話題になった。Revolutのサービスは仮想通貨の売買および保有が可能である。
リップル(XRP)とビットコインキャッシュ(BCH)は、執筆時点の時価総額で3、4番目に位置する仮想通貨である。これまで利用可能だったのは、ビットコイン(BTC)、ライトコイン(LTC)、イーサリアム(ETH)の3種だった。そこに新たにリップル(XRP)とビットコインキャッシュ(BCH)が追加され、合計5種の取り扱いとなったのだ。
▼Revolut公式Youtube動画『Introducing Revolut (Revolutの紹介)』
公式Twitterでも、追加の報告をしている。
「お待たせしました。これからは、すぐにXRPとBCHを購入・保有できるようになりました。」
🤩 The wait is over. You can now buy, hold and sell #XRP and #BCH instantly with Revolut. 🚀 https://t.co/WgvhpdEoTP
— Revolut (@RevolutApp) 2018年5月24日
Revolutの最高技術責任者であるVlad Yatsenko氏は以下のように語った。
「私たちはRevolutのユーザーたちがどのようなニーズを持っているのか(どんな通貨が使いたいのか)を調査してきた。その結果、リップル(XRP)とビットコインキャッシュ(BCH)の需要が圧倒的に高かった。」
同社によると、今回の2種の通貨追加決定に対しては「他の主要な取引所でこれらの通貨を扱っていない場合もある」といった理由から行われたという。
Yatsenko氏はまた、「私たちは、何ヶ月もの開発や調整、議論の末、この度イギリスの市場に新たな2つの通貨を提供できることを非常に誇りに思う。」と語った。
アプリ新機能追加で定期預金が可能、ボラティリティ回避に役立つ
Revolutの取引手数料はトランザクションごとに、1.5%である。また、Revolutはそのアカウントから通貨を他のアカウント(その他取引所など)への送受信はできない。このアプリでできることは、主に仮想通貨の売買とRevolutユーザー間の仮想通貨交換である。もし、他のサービスのアカウントに送りたい場合は、保有通貨を売却し、そのお金で他の取引所などから購入するしかない。
最近になりRevolutは、「Vaults」という新たなサービスをスタートした。モバイルアプリRevolutに関連するこの機能により、ユーザーは自分のお金を節約することができるという。
詳しく言うと、ユーザーはトランザクションを発生させるたびに、購入額のいくらかを指定した仮想通貨に貯金することができる。定期的な支払い設定をすることで、毎日、毎週、毎月といったように、お金を貯めることが可能だ。指定する仮想通貨は自由に選ぶことができ、この定期的な預金は通貨のボラティリティを考慮すると有効な方法であるように思われる。
50,000をこえる、Revolutユーザーがこの新しい機能にサインアップしている。ちなみに「Vaults」という定期預金のようなサービスは、メインのRevoluteアカウントには反映されず(この機能によってRevoluteアプリの残高が増えるわけではない)、別で管理されることになる。
また、Revolut社は、アメリカ、カナダ、シンガポール、香港、オーストラリア、ニュージーランドに事業を展開させるために、エンジニアとデザインスタッフを増員をして、同社のさらなる成長を計画中だという。
同社は「海外に進出することで、私たちが世界中の人たちの金融に関する生活やプロセスをコントロールできるようになり、優良なパートナーと提携を結ぶことで国際的な送金コストを削減できる」と語った。
リップル(XRP)に関しては、最近アメリカのモバイル決済サービスを提供するUphold(アップホールド)社がXRP台帳との統合により直接リップル(XRP)を購入できるようになったと報じられたばかり。こういったモバイルアプリなどへのリップル(XRP)採用が顧客のニーズによるものならば、ユーザーのリップルへの期待は大きいものだと考えられる。
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(翻訳者:RAVA)