中東でも有数の規模を誇る、オマーンのドファール銀行がリップル(XRP)の国際送金を目的に作られた決済ネットワークである、RippleNet(リップルネット)に加入したことを発表した。オマーンとしては初の参加銀行となる。
日本国内でも住信SBIなどの大手銀行が参加、海外でも南半球で最大規模を誇るブラジルの銀行グループ「イタウ・ウニバンコ」が参加を表明するなど、これまでに延べ100以上の銀行がこのRippleNetに参加している。
RippleNet(リップルネット)の3つのプロダクト
このRippleNetが提供するのは3つのプロダクトだ。
一つがxCurrentである。ブロックチェーン技術を応用し、ピアツーピアで銀行間を結ぶことによりこれまでのSwift方式のような国際送金とは異なり、銀行同士の直接かつ即時取引を可能にしている。
二つ目はxRapidだ。Ripple社が発行している仮想通貨リップル(XRP)を利用し、低コストで流動性の確保が可能になる。そして三つ目がxVia。これはRippleNetを利用するためのAPI(アプリケーションインターフェース)だ。xViaを利用することによって、RippleNetに参加していない企業でも請求書や送金情報の送信ができる優れものである。そして、xCurrent以外の2つは研究開発中である。
参加を表明している企業は三菱東京、スペイン最大手のサンタンデール銀行などそうそうたる大手企業が名を連ねている。こうした企業がRippleNetに参加をする背景には、革新技術であるブロックチェーンをいち早く取り入れる、他行との差別化を図るなど様々な思惑があるようだ。
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Ripple(リップル)は銀行業界に革命をもたらすか
企業の様々な思惑が錯綜する中で、なぜドファール銀行はRippleNetへの参加を表明したのだろうか。
仮想通貨貨関連メディアCCN誌のインタビューに対し、ドファール銀行は「Ripple社のブロックチェーン技術への投資は、ユーザーの時間と資産を守ることにつながるでしょう」と語る。
また、同行の最高情報責任者(CIO)である、Dr.Tariq Taha(タリク・タハ)氏は加えて「このことによって、瞬時にそして安全ですべての工程が透明化された国際送金を我々は提供することができます」とコメントした。
ドファール銀行はこれまでにも顧客へのサービス改善のため、デジタル決算技術の利用に関して積極的に取り組んできた。今年2月にはインドステイト銀行が中心となっているブロックチェーンを利用した国際的なコンソーシアム「Bankchain(バンクチェーン)」への参加を表明したばかりだ。
Ripple(リップル)社の技術は依然として試験段階にあるものだが、現在、仮想通貨業界の中では最も一般企業からの注目を集めているといってもいいほど。今後ともその動向を注視していく必要がありそうだ。
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参考:CCN