下落するイーサリアム、ICOプロジェクトがETHを売っている噂は本当か?

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下落するイーサリアム、ICOプロジェクトがETHを売っている噂は本当か?

執筆時点で、昨年高騰したイーサリアム(ETH)の価格は円建てで2万円を切ろうとしており、最高値の80%下落を記録しています。

現在のイーサリアム(ETH)の価格・相場・チャート

昨年(2017年)は、多くのプロジェクトがETHでICO(イニシャル・コイン・オファリング)を実施しており、それらのプロジェクトが保有をするETHが売却されていると市場で推測されています。この指摘自体は正しくもあり、間違っているとも言えます。

イーサリアム(ETH)はICOプロジェクトによって売却されているのか?

イーサリアム(ETH)がICOプロジェクトによって売却されていることは事実ですが、市場参加者が思っているほど、プロジェクトはETHを売却していないということが事実と言えるでしょう。

この件に関して、分析会社のDiar NewsletterのLarry Cermak氏の意見を引用します。

彼によると、2018年の9月時点で、ICOのプロジェクトが調達し、彼らのアドレスに保有をされていたETHは市場全体の供給と比較して、4.5%であったとしています。

同じく、2018年4月時点で、ICOプロジェクトの保有をするETHは、3.7%であったとしています。

訳:「ICOプロジェクトが保有するETHのほとんどを精算したというのは大きな間違いだ。今日(9月10日)発表されたDiarのICOに関するデータを分析した。」

つまり、ICOプロジェクトによるETHの売却は約20%であり、売却されてはいますが、それほど大きい数字とは言い難いと言えます。

イーサリアム(ETH)の出金をデータから読み取る

また、下記のサイトは、主にICOで調達したブロックチェーンプロジェクトのEthreumのアドレスをトラッキングして、いつどのくらい出金したかを追跡するサイトです。給料など支払いと思われる出金から、各プロジェクトがどのくらいETHを売却しているかまで追跡できます。

参照:Dapp Capitulation

ちなみに、このようにブロックチェーンの情報からファクトがとれる情報については、なるべくブロックチェーンからファクト(事実)を取る方が望ましいですし、自分でそれを行うことが時間的コストなどで難しかったら、ブロックチェーンの情報から分析していてる人を参考にすることが良い選択だと言えます。

以上のように、ICOで調達をしたプロジェクトはまだETHを20%程度しか売却をしていないというデータがあります。

さらに同氏は、12のICOプロジェクト(以下)が、彼らが保有しているICOで調達したETHの総量>トークンの時価総額になっていることも指摘しています。

  1. Aragon
  2. SingularDTV
  3. Gnosis
  4. FirstBlood
  5. Monetha
  6. HEROcoin
  7. Bloom
  8. Mysterium
  9. Atonomi
  10. Indorse
  11. Musiconomi
  12. Aventus

イーサリアム(ETH)の今後の価格動向に左右をするもの

以上のデータからわかることは、ICOプロジェクトはETHを売っているが、まだ残しているということが読み取れます。それぞれのICOプロジェクトは給料やオフィス代などを払う必要があり、それらの支払いには、ETHは売却しなければならないので、今後もICOプロジェクトはETHを売却するでしょう。

逆に価格にとって比較的ポジティブな材料は、次回のEthereumのハードフォークをして供給速度が絞られる点です。その他、Ethereumには競合になり得る新しいパブリックプロトコルも多く現れており、ETH価格の動向とは無関係ではないでしょう。これらは注視しておくべき点になり、d10n labで配信しているレポートではさらに深い解説をしています。

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