サトシ・ナカモトが財団ウェブ上に署名入り文書を掲載、謎につつまれた正体のヒントはあるのか?

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サトシ・ナカモトが財団ウェブ上に署名入り文書を掲載、謎につつまれた正体のヒントはあるのか?

ビットコインの発明者と言われるサトシ・ナカモトの自伝(?)が、ナカモトファミリー財団(Nakamoto Family Foundation.org)のウェブサイトに発表され話題となっている。

ウェブサイトは2018年6月29日付で、30日に発表された。この本(著作物)は2部に別れ、「この書物が必要とされ、人々が個人的に私のことを知りたいと思わなければ、出版物として世に出ることはない」と但し書きが付いている。文書は、ビットコインとその歴史を扱っており、ビットコイン発明者個人の話も含まれているが、サトシが誰なのかは依然として分からない。

タイトルは「本音と建て前」サトシ・ナカモトはコードネーム

ウェブサイトには本のタイトルを読み解く暗号化されたゲームがついており、導き出されるタイトルは「本音と建て前(Honne and Tatemae)」となる。

記載された抜粋は21ページで、表題は「Duality(二重性)」。本文は、サトシ・ナカモトがコードネームであり、ビットコインの誕生にかかわった人物の正式名ではないという説明で始まっている。また、一部で言われてきたようなサトシがグループであることは、次のようにきっぱり否定した。

「最初の年、ネットワークの唯一積極的な参加者は、実際のところほとんど私自身だった。私がそれを維持し、利用し、コード変更を行い、バグを取り除き、利用を進めた」

参考:http://nakamotofamilyfoundation.org/duality.pdf

サトシは米東海岸の住人、そして逆算で考えられる年齢

サトシ・ナカモトの由来については、次のように書かれている。

「私は、サトシ・ナカモトがジョン・スミスに等しく、日本以外誰も分からないありふれた名前にしたかった。このような結論に達して、公開するまでには時間がかかったが、私に直接接触してきたほぼすべての人は、かなり前からそのことを分かっていたはずだ」

ビットコイン開発初期に触れて、プロジェクトとサトシ自身についていくつかの興味ある事実を明かした。サトシは14歳のころから「(1980年代の)サイバーパンク(cyberpunk)運動に没頭した」と打ち明けた(逆算すると、生まれた年は70年代ということを意味する)。匿名の電子的取引のアイディアは、ほぼ20年先行して持っていたことになる。

サトシは、ビットコイン開発の初期に関係した英国人プログラマー、マイク・ハーン氏ついて多くを語っている。ハーン氏は2015年12月、プロジェクトの失敗を予測して手持ちのビットコインンをすべて売却した。同氏は大規模な特定用途向け採掘用コンピューター(ASIC)、プロトコルのセキュリティなどを心配していた。

ハーン氏はサトシの身元に関心はなかったが、サトシが(英国時間)午前1時から7時に活発に活動していたことから、米東海岸の住人という推測が成り立つ。

「文書の信ぴょう性は実証できず」とBloomberg

サトシによると、ビットコインは規模の拡大を目指して構築された。例えば2140年5月7日、1Satoshiが1米ドルと等価になるとすれば、ビットコインの時価総額は事実上、2100兆ドルにもなるはずだという。また、ブロックチェーン(blockchain)はかつて、タイムチェーン(timechain)と呼ばれ、ビットコインのフォーク(forks/分裂)はブランチポイント(branch point/分岐点)と呼称されていた。

2015年自らサトシだと主張した(後に誤りを認めて謝罪した)オーストラリアの学者でNChainのチーフサイエンティストであるクレイグ・ライト(Craig Wright)氏は、Twitter上で「この文書の著者は、正しい日付も技術的詳細も示すことができない」とつぶやいた。

サトシ・ナカモトの本の話を伝えたBloombergは結局、このサトシの文書の信ぴょう性を立証することができなかったと付言している。サトシは文書の中で、「サトシ・ナカモトは実在の名前ではない。特に正式名でもない」と言うが、それでは誰なのか?

(フリージャーナリスト、大手マスコミOB記者:長瀬雄壱)

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参考
financemagnates
Bloomberg