仮想通貨市場は「脅威ではない」パウエルFRB議長が米下院公聴会で証言

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仮想通貨市場は「脅威ではない」パウエルFRB議長が米下院公聴会で証言

米下院は仮想通貨に関連する公聴会を一斉に開始した。
2018年7月18日、金融委員会、農業委員会などが、仮想通貨に関する公聴会を開催した。金融委員会は「未来のお金・仮想通貨」、農業委員会は「デジタル時代の新しい資産の規制・監督」がテーマとなる。

ジェローム・パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は金融委員会で、仮想通貨について「本質的な価値はなく、投資家に重大なリスクとはならない」(CNBC)との見解を表明した。

仮想通貨市場の規模は金融の安定を脅かさず、規制は求めないとFRBが見解

パウエル議長は、バブル関連の懸念について、「比較的経験の浅い投資家は、暗号資産の価格が上がると見ており、買い相場だと考えている。実際は、そのような裏付けは一切ない」と、次のように述べた。

「暗号通貨は通貨ではない。FRBは何か策を講じる対象としては見ていない。通貨は、決済手段であり、基本的に価値を保存していると考えられるが、暗号通貨は決済に使われることは数少なく、ボラティリティ(価格変動性向)を見るならば、価値を保存しているとは言えない」

「マネーロンダリング(資金洗浄)もしくは隠匿しようという人々にとって、暗号通貨はすばらしいということは、極めて問題である。われわれはその問題に大きな関心を払わなくてはならない」

パウエル議長はまた、投資や消費者保護の問題に関連して「暗号通貨市場は、金融の安定を脅かすほど大きくはなく、連邦準備制度(FED)はその規制を求めない」(Bloomberg)と証言した。

仮想通貨に本質的な価値はなく、何らかの資産の裏付けもない

パウエル議長は、仮想通貨は法定通貨ではなく、したがって保護の対象にはならないとの立場を明確にした。同議長はさらに、ビットコインとその種の仮想通貨は、本質的な価値はなく、どのような資産の裏付けもないので、その価格はすべて、一時的な価格上昇やボラティリティに終わる投機の対象である、との立場を鮮明にした。

同議長はまた、中央銀行すなわちFEDは、この資産クラスを規制することはなく、仮想通貨をその管轄権に置く計画はないことを再確認した。同議長はさらに、市中のうわさに反して、FRBが独自の仮想通貨を発行することはないと以下のように述べた。

「証券取引委員会(SEC)や商品先物取引委員会(CFTC)その他州政府など連邦機関がすでに、暗号通貨関連企業を監視しており、違法な事業を行ったいくつかの企業を閉鎖した」

同議長はしかし、人類が極めて大きなテクノロジーの変化の時代に生きていることを前提にして、規制当局者は経済成長や金融システムの革新を促す新しいアイディアやイノベーションにはオープンな姿勢であらねばならないことを強調した。

半期に1度の下院議会公聴会の論議は深まった

半期に1度開催される下院議会公聴会は、証言内容が大いに注目されている。同じ日に開かれた「デジタル時代の新しい資産の規制・監督」について、多数の参考人の意見を聞いた。

農業委員会のマイケル・コナウェー委員長(共和党)は討論を総括して、「公聴会は、さまざまな問題について、非常に明快な説明を受けた」と述べた。公聴会を通じて繰り返し表明された問題は、資本の集中とビットコインのマイニング(採掘)の問題であった。

例えば、循環しているすべてのビットコインの90%以上が、僅か数個のウォレットに収められている問題である。さらにビットコインの最大のマイナー(採掘者)が、中国とロシアであり、マイニングパワーの約50%を占有している問題などが浮き彫りになった。

(フリージャーナリスト、大手マスコミOB記者:長瀬雄壱)

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参考
Coindesk
CCN(1)
CCN(2)

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