世界初の仮想通貨の銀行へ、スイスのスタートアップが約115億円の資金調達に成功

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世界初の仮想通貨の銀行へ、スイスのスタートアップが約115億円の資金調達に成功

スイスのスタートアップ企業セバ・クリプト・AG(SEBA Crypto AG)がこのほど、1億スイスフラン(約115億8000万円)の資金調達に成功して、仮想通貨と法定通貨の交換サービスを提供する規制上初の銀行業認可済み銀行の設立を目指している。

スイス金融市場監督局(FINMA)から初の銀行業認可取得へ

同社はスイスが仮想通貨ハブとして誘致しているツークを拠点とする金融サービス会社であり、事業主はスイス最大の銀行UBSの元バンカーである。オランダの投資会社サマーキャピタル(Summer Capital)など内外の投資家の支援を受けて、スイス金融市場監督局(FINMA)からこの種の金融サービスとしては初めての銀行業認可を目指している。

UBSで資産管理担当取締役だったセバ・クリプト・AGのグイド・ビューラー氏(Guido Buehler)は、2018年4月以来FINMAと交渉を重ね、10月末までに銀行業と証券取引業としての最終的な認可を申請する予定。

今回の資金調達応じた投資家は、スイスのブラック・リバー・アセット・マネジメント(Black River Asset Management)や香港のサマーキャピタル(Summer Capital)のほか、シンガポールやマレーシア、中国などの投資家も含まれている。

スイスは、米国のシリコンバレーに倣って、ツークをクリプトバレー(Crypto Velley)に育てる計画を進めている。18年9月末までに、ツークやチューリヒには約500社のブロックチェーンや仮想通貨関連スタートアップ企業が進出している。

FINMAは18年初頭、デジタル通貨販売で資金を取得する企業に対する新たなガイドラインを発令し、後に銀行業認可のない多くのコインプロバイダーの営業停止を断行した。FINMAによると、それ以後仮想通貨関連企業の認可申請が増えつつあるという。

仮想通貨と金融のコンバージェンスを目指す

ビューラー氏は、その野心的な使命を次のように語っている。

「セバは既存の銀行と新たな仮想通貨の世界との間のギャップを埋める存在になりたい。安全かつ透明で実績を挙げることを本質的な価値として、われわれが目指すのは、既存の金融と仮想通貨経済が収束するマーケットリーダーになることだ」

ビューラー氏によると、セバは当面17人を雇用、19年末までにその数を倍増する計画である。新設される仮想通貨銀行は、シンガポールと欧州に事業を拡大する計画とともに、銀行業認可取得後には新たな資金を調達する意向である。

小口投資家に受け入れられる新しい形の通貨交換取引所に

同氏の説明によると、セバの顧客は法定通貨か仮想通貨のいずれかを利用して取引することができるほか、投資や資産管理(運用)サービスも受けることができる。同氏は「われわれのビジョンは、オンラインバンキングにログインすれば、1つのアカウントで仮想通貨と法定通貨へのアクセスを可能にすることである」と語った。

規制を受けた初の仮想通貨取り扱い銀行の創設は、実験的試みではあるが、新たな取引所もしくは取引所が取り扱うファンド以上の存在になることを目指す「触媒」になりうるもので、すべては小口投資家がこのアイディアを抵抗なく受け入れられかどうかにかかっているという。

(フリージャーナリスト、大手マスコミOB記者:長瀬雄壱)

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参考
BITCOINIST

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