本稿は、ビットコインのプロトコルを決めるのは誰か?ビットコインはマイナーのものなのか?という議論について筆者のオピニオンをまとめたものです。

ビットコインのエコシステム

Twitterで話題になっていたことですが、マイナーはハッシュパワー投票をして、ユーザーは、価格投票をしてる。開発者は、コード投票をしてる。という表現があり、適切だなと思いました。

現在、11月中旬のハードフォークが差し迫るSegwit2xのメーリングリストを見ていると、よく「ビットコインはマイナーのものである」という論調を目にします。

一部の人は、マイナーがプロトコルを決定する全ての要素だと言いますが、筆者としては、これには異論があります。

マイナーがプロトコルを決めることに対して、議論をすることも出来るし、売却という形で違う経済圏に移ることもでき、また、どうしても方針があわないならフォークもできます。

主権を、人々に取り戻すということが暗号通貨の文脈であったはずです。
マイナーが全てと言ってしまえば、いくらマイナーが複数に分散化していたとしても、銀行ネットワークのようなものです。

特に、これから将来的にマイナーはロシア政府はじめ国家プロジェクト、今後参入する大企業などのシェア大きくなりえます。

ビットコイナーの文脈を持ってない人たちもマイナーになってもマイナーが全てになるのでしょうか。

今はまだ全然良い状況で、マイニングプールを運営している会社の社長は、ビッグブロック派やコア支持で争っていたとしても、みんなビットコイナーです。

BitmainのJihanは、中国ではじめてビットコインのホワイトペーパーを中国語の和訳をした人物ですし、BTCCのBobby Leeはライトコインの開発者のCharlie Leeが兄弟で業界に入って来た人物です。

しかし、これからは、ビットコイナー以外がマイニングビジネスに参入します。

ビットコインに一番投資をしているのはマイナーなのか?

また、「マイナーが全て」という論の理由には、マイナーが最もお金を投資しているプレイヤーであるから、という理由をよく聞きます。

しかし、本当にそうでしょうか?

マイナーは採掘したコインをほとんど売却してしまいます。

現在時価総額10兆円以上のビットコインのステークは、ほとんどがユーザーにあります。ホルダー、つまり自己資産でビットコインの現物を持っている人、これが、もしかしたら、プール運営している企業よりも、実は最もリスクをとっているのではないかと思えてきました。

また、リスクの観点から言うと、実は、コア開発者を含め、開発者の多くは、ビットコインを多く持っている人はあまりいない傾向があります。

個人的に、これは、もっと意識されたほうが良い気がしており、ビットコインにリスクがあるかもしれないと常に考えるべき一番のポイントは、超一流の技術者ほど、実はあまりBTCを買っていない傾向にある点ではないかと思います。

ビットコインのコードを一番知っている彼らが、ある意味一番ビットコインは社会実験であることを認識してるとも言えます。

最もリスクをとっていないプレイヤーでもありますが、現在の10兆円以上の時価総額を形成し、動いているビットコインのソフトウェアを作り上げたのは、400超の開発者であることは間違いありません。

総論

いずれにしても、ビットコインは、主にユーザー・マイナー・開発者の三者のエコシステムで成り立っています。
従来の通貨、例えば、日銀券のマネタリーベースは今どれくらい?とは誰も気にしませんが、綺麗なガバナンスとは言えません。

これに関して日本国内において、日本円を使うしかなく、ユーザーにほとんどの権利は与えられてませんでしたが、ビットコインの場合は、ガバナンスに不満あればユーザーが何かしらの形で反抗を起こしえます。

ユーザー自らがその権利を放棄すべきではないし、出来れば感心をもったほうがいいと思います。

ユーザーがその権利を放棄したらビットコインの革命的な部分が徐々に失われるでしょう。
その場合は、近代通貨の歴史を繰り返してしまうことになりかねません。