ShapeShiftがメンバーシッププログラムを開始をするとアナウンスしました。
ShapeShiftがメンバーシッププログラムを導入した理由
ShapeShiftは、アカウントの登録や個人情報の登録を必要なしにビットコインとアルトコインの交換ができることをメリットにしていた取引所です。
DEXではないですが、ユーザーは資産の預け入れもKYCなしにトークンの交換ができることからDEXのように利用をされていた取引所で、ShapeShift自身もそういったプロモーションをしてきた節があります。
ShapeShiftの今回のメンバーシッププログラムについて公式のアナウンスを引用します。
まず今回のメンバーシッププログラムの導入の理由について
- 多くのユーザーからトレードの履歴や、Eメールでの通知など会員機能がないとできない機能の追加についてリクエストがあったこと
- ユーザーへのロイヤリティプログラムとしてトークンの使用を考えてること(ShapeShiftはFOXトークンを新規に発行して、この保有数に応じてメンバーシップのレベルが変わる)
- ユーザーに個人情報を要求するのは不本意であり、ShapeShiftがビジネスを始めてからずっと気を配ってきた分野だが、規制がグレーなエリアで慎重な判断の結果、このような機能の導入に至った
と理由を示しています。
メンバーシップはLvl 1~Lvl 5の5段階に分かれており、ランクごとに、
- 取引手数料の優遇
- 取引ボリュームごとにFOXトークンのリワード
- 取引高の限界値の解放
などをしていく予定としています。
ShapeShiftが発行するFOXトークンとは
FOXトークンは、ERC20ベースで全体供給量は、1,000,001,337FOX、最初にメンバーシッププログラムに登録をし、KYCまで済ませたユーザーの10万人は100トークンがもらえるそうです。初回会員の配布は 10,000,000FOXになるので、全体供給量の10パーセントです。
BinanceやHuobiなど取引所がトークンを発行することは自然な流れで、トークンのモデル設計もそれほど目新しさはありません。
現在は、Lvl 1のユーザーのみ募集しており、Lv 2以上の詳細は後日公開となっています。
メンバーシッププログラムは“実質のKYC導入”との声も
また、メンバーシッププログラムは、現在は任意加入ですが、近い将来に登録をしないと一切の機能が使えなくなるとしています。これについて実質的なKYC導入であると批判が集まっています。
とはいえ、管理者がいる事業体では、たとえユーザー資産を預からないDEXのようなプレイヤーもKYC導入をしていくのが今後の流れでしょう。
0xのリレイヤーも、v2のアップデートでフィルターコントラクトによるKYC機能をつけられるようになったり、KyberNetworkなどもKYC機能をつけることは技術的には容易です。
ShapeShiftについては、今後トークンなどを用いてどのような事業展開を進めるかが注目されます。
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