シンガポールがアジアのシリコンバレー実現を目指す、手始めにブロックチェーン商用化

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シンガポールがアジアのシリコンバレー実現を目指す、手始めにブロックチェーン商用化

人口わずかか560万人の島国都市国家シンガポールが、アジアのシリコンバレーの実現を目指して力強く動き始めています。シンガポールはそのため、特にアジアから人材を求めるとともに、アリババ(Alibaba)、グーグル(Google)など世界の金融センターにとってふさわしい大企業の誘致に意欲的です。

TikTokの親会社バイトダンス(BiteDance)やアリババなど多くの中国企業が、シンガポールに進出する計画を持っています。GoogleやFacebookなど世界的な企業もまたシンガポール進出を果たしています。

豪州やインド、中国などアジアから人材求める

初期段階の投資企業モンクスヒルベンチャーズ(Monk’s Hill Ventures)の共同創業者兼マネージングパートナーのクォイ・リム(Kuo-Yi Lim)氏は、シンガポールの展望について、「私の見方では、シンガポールは大国ではないことから、国外の人材を常時受け入れる必要がある。競争は世界的な規模で一段と進んでおり、地域スタートアップ企業ですらオーストラリアやインド、中国あるいはそれ以外の地域からグローバルな材を求めるようになっている」と語ります。

リム氏によると、シンガポールはテクノロジー企業にとって魅力的な多くの要素を持っています。英語をマレー語、中国語とともに国語の1つとして採用していることを含めて、シンガポール政府が過去10年余り果たしてきた役割、つまり政策は意欲的です。

ブロックチェーン・イノベーション・プログラムなどテック企業引き付ける政策

リム氏によると、2010-20年の間に東南アジアは途方もなく大きな変化を遂げ、ユーザーファーストを重視する「モバイルファースト(mobile first)」政策によって、国際企業にとって地域営業拠点を設置することが極めて重要になっています。同氏は「これらのことがこの時代にぴったり符合した」と語っています。

シンガポール政府は、諸外国のテクノロジー企業や企業人を引き付ける諸政策を次々と打ち出しています。その好例が昨年12月に発足したシンガポール・ブロックチェーン・イノベーション・プログラム(SBIP)でしょう。SBIPは一言で表現すれば、ブロックチェーン技術の商用化を目指す企業を支援するプログラムです。

SBIPや決済ネットワークなどアジアのシリコンバレー目指す

SBIPは、中央銀行に相当するシンガポール金融管理局(MAS)の支援を受けて、国立研究財団(NRF)などが中心になって進めるプロジェクトであり、初年度1,200万シンガポールドル(約9億4,000万円)の予算を支出します。プレスリリースによれば、初年度は貿易、流通、サプライチェーンにブロックチェーン技術を利用、向こう3年間に75社ほどがプログラムに参加する予定です。

シンガポール政府はブロックチェーン開発者および企業のパートナーとして支援する立場にあり、他の諸国よりオープンな「仮想通貨ハブ」になることを目指しています。

参考
Singapore Is Primed to Transform Itself as Asia’s Silicon Valley
Singapore’s government launches blockchain innovation program with $8.9 million in funding

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長瀬雄壱
フリージャーナリスト、大手マスコミのOB記者。在職中は社会部、科学部、外信部で記者活動を行なう。特に外信部では、10年余り海外特派員(3カ国)を務め、国際関係、政治、経済、社会、戦争取材など、あらゆる分野で記者活動を続けた。翻訳業務経歴は約50年あり、今でも海外ニュースを深くモニターしている。