韓国の仮想通貨取引所ビッサム(Bithumb)が38%利権をシンガポール投資会社に譲渡

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韓国大手仮想通取引所ビッサム(Bithumb)が38%利権をシンガポール投資会社に譲渡

韓国の大手仮想通貨取引所ビッサム(Bithumb)が、シンガポールの整形外科医療グループのBKメディカルグループ(BK Medical Group)の投資会社BKグローバルコンソーシアム(BK Global Consortium)に38%余りとなる利権を譲渡した。

ビッサム株式の76%を保有していた筆頭株主BTCホールディングスカンパニー(BTC Holdings Company)によると、この契約によって同社は保有するビッサムの株式の50%プラス1株を4,000億ウォン(約395億円)で譲渡した。この取引後、BKグループはビッサムの過半数株式を保有する新たな筆頭株主となる。

韓国の大多数の投資家は、この買収ニュースを前向きに理解して、概して楽観的である。理由は、これによって韓国の有力取引所はすべて、大手コングロマリットの支援を受けることになり、ビッサムの安定した経営が期待されるというのだ。

韓国の仮想通貨取引所はコングロマリットの財政支援受ける

2016年6月開業したビッサムは中でも、競争相手の大手取引所アップビット(Upbit)とともに、最有力のデジタル資産プラットフォームとしての立場を維持してきた。特に2017年末、韓国コングロマリットのカカオ(Kakao)が、ビッサムなどと対抗するためアップビットを開設して以来、競争が激化していた。

韓国の有力取引所は、カカオ支援のアップビット、新韓銀行(Shinhan Bank)支援のゴパックス(Gopax)、オンラインゲームのネクソン(Nexon)支援のコルビット(Korbit)など、すべてコングロマリットの支援を受けている。今回の買収でビッサムは、事業が安定するとの期待が高まるのも当然だ。ビッサムを除くアップビットなど3取引所は、早くからコングロマリットの支援を受けて、セキュリティを破られたり、ハッキングに遭ったことはない。

これに対してビッサムは18年6月、ハッキングを受けて約320万ドル(約35億円)を詐取され、韓国国内にショックを与えた。投資家は、ビッサムが受ける支援によって、セキュリティやシステム管理、その他全体的な投資家保護が進むことを大いに期待している。

仮想通貨、ブロックチェーン開発に熱心なシンガポールに注目

アップビットや中国の仮想通貨取引所のバイナンス(Binance)は、シンガポール政府の仮想通貨関連企業へのバンキングサービスに寛容で、ブロックチェーン産業の発展を助長する政策を受けて、こぞって取引所の新設計画を発表している。ビッサムもBKグループの支援を得て、当然ながらシンガポール進出が期待される。

ビッサムの過半数利権を取得したBKグローバルは、シンガポールを拠点とする医療グループであり、シンガポールと韓国で整形・美容クリニックを経営している。BKグローバルコンソーシアムの経営者で整形外科医のキム・ビョンゴン氏(Kim byung Gun)は、ブロックチェーン関連スタートアップ企業への投資家として知られている。

ビョンゴン氏は、スタートアップ企業への早くからの投資家の1人であり、17年8月にはイニシャル・コイン・オファリング(ICO)コンサルティング企業とICOプラットフォーム開設に出資した。

ビッサム(Bithumb)は1年前の純益から1桁の大幅ダウン

ビッサムの数人の株主は数カ月前、同社財務諸表を引用して、18年6月までの上半期、同社純益はハッキング被害に遭って約3500万ドルだったことを明かした。17年の純益は、3億8,000万ドルだったというから、利益は1桁の大幅ダウン。同社はさらに、ハッキング被害に遭った後、新規銀行口座開設を停止して1週間に、1日取引量が3億5,000万ドルから2億5,000万ドルに下落した。

1月2日時点で取引量25億ドルと世界第3位取引所だったビッサムは、8月下旬には19位に落ちていた。競争者のアップビットは、18年第1四半期の純益が9,700万ドルというから、ビッサムの苦境が今回の買収につながったことは、これらさまざまな数字を見ても明らかだ。

(フリージャーナリスト、大手マスコミOB記者:長瀬雄壱)

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参考
CCN

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