韓国が規制強化の緊急措置、投機の過熱防止や安全対策へ

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韓国政府は2017年12月13日、「仮想通貨規制に関する緊急措置」を発表した。

9月29日にはすでに、(ICO)とすべての仮想通貨の証拠金取引を即日禁止していた。アメリカの仮想通貨企業Coinbaseによると、ビットコインは9月29日だけでも、一時3.5%安、イーサリアムも5.7%値下がりした。

銀行による購入、保有などを禁止、未成年者や外国人の取引も禁止

韓国の大統領官邸、青瓦台の国務総理室が公表したこの緊急措置は、利用者保護に努めるとともに、投機熱を防ぐことを狙っている。今年はスタートアップ等によってICOを通じた資金調達が盛んに行われた。しかし監視が行き届かず、ICOによる調達資金の10%ほどが不正に詐取されているのが現状である。

今回発表された文書の中にはいくつかの禁止措置が含まれている。

銀行など金融機関への措置:金融機関による仮想通貨の購入や保有、投資が禁止される。政府は仮想通貨の銀行口座を規制、監視して、特に未成年者や外国人の口座開設に目を光らせる。

未成年者、外国人への措置:高校生までの未成年者、非居住外国人が、国内で仮想通貨取引を行うことを禁止するとともに、仮想通貨の取引に必要な銀行口座の開設も認めない。

犯罪取り締まりや利得への課税も

緊急措置は、仮想通貨の取引をめぐる犯罪の取り締まりを強化、課税についても早急に法制化するとの措置も打ち出した。

さまざまな犯罪の摘発と罰則強化

政府は偽造コインの販売行為、不正取引、ハッキングや個人情報不正取得など、仮想通貨に関連する犯罪を厳しく取り締まる。

韓国金融委員会(FSC)や金融監督院(FSS)は取引所と協力して、仮想通貨の違法な取引や関連株式の異常な取引を監視する。規模の大きな取引所に対しては、2018年中に情報セキュリティの国際認証規定 (ISMS)を取得するよう義務づける。

検察当局は今年、数々の犯罪者を摘発している。
さらに北朝鮮のハッカーが4月から9月にかけて、悪質なコードを潜ませたEメールを使って、何回もビットコイン取引のハッキングを試みた。国家情報院によると、これまでに900億ウォン(92億円余り)の被害を受けているようだ。

仮想通貨で出た利益への課税

取引の利益に対する課税については、投機的な仮想通貨取引を抑制するため、仮想通貨取引から得られた利益への課税が検討されている。関連する取引業者の認可も厳格に審査する方針。課税について政府は、民間の専門家や財政省、国税庁など関係省庁のタスクフォースを発足させる。このため取引所からユーザーデータを合法的に入手する計画も始めていく。

韓国のメディア等によると、韓国では、仮想通貨の取引がBithumb、Coinone、Korbitなどの取引所を通じて、毎日100億ウォン分の仮想通貨が取引されており、緊急規制措置はこれらを対象にしている。

規制は市場を育成、大勢は適切な措置と受け止める

韓国は日本、米国に次いでビットコイン取引の第3位の最大市場。

韓国の一部のメディアは、これは最悪の事態で、韓国の仮想通貨産業を完全閉鎖するものだと批判している。しかし、韓国のこのようなイニシアチブは、中国、欧州、米国などで実施されている一部強い規制の動きと矛盾しないというのが大方の見方のようだ。

韓国を拠点とするビットコイン最大手取引所Bitumb(ビッサム)は、「適切な規制は、(仮想通貨)市場をむしろ育成するもので、われわれはこの規制を歓迎する。そのような行動規範は、市場に合法性を付加できる」(ロイター)と語っている。

(フリージャーナリスト、大手マスコミのOB記者:長瀬雄壱)

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