新型コロナウイルスまん延でデジタル通貨の存在感高まる

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新型コロナウイルスまん延でデジタル通貨の存在感高まる

新型コロナウイルスのパンデミックが、予期しない好影響を暗号資産(仮想通貨)市場に及ぼしています。紙幣やコインなどが、コロナウイルスの運び手になる恐れも加わって、法定通貨に代わるデジタル通貨が一挙に表舞台に立とうとしています。

WHOがウイルスは紙幣に付着して数日生き残ると警告

紙幣はそれがペーパーやポリマー、コットン、リネン製のいずれであろうとも、ウイルスまん延の運び手になることは、世界保健機関(WHO)が認めています。WHOは最近、ドイツのテストを基にして、コロナウイルスが紙幣やコイン、ATMの外壁に付着して数日生き延びるとして、手洗いを入念に行うよう勧告しています。

中国人民大学ブロックチェーン研究主任のヤン・ドン(Yang Dong)氏はこの警告を受けて、デジタル人民元に切り替えるべき時期だと語りました。同氏はチャイナデイリー(China Daily)とのインタビューに答えて、「公共機関、個人を問わず、近いうちにデジタル通貨を含めて非接触型のトランザクション・メディアを利用する方向に向かうだろう」と述べています。

中国は人民元を高温消毒、米国でもドル紙幣を14日間検疫処理

中国ではすでに、ウィーチャット(WeChat)やアリペイ(AliPay)を使うデジタル決済が普及しています。中国駐在のブロックチェーンコンサルタントであるロベールト・ファン・エルト(Robert Van Aert)氏は「政府が発行する仮想通貨のソーシャルガバナンス上の展望は、社会的信用システムに発展する可能性があり、検疫を受けた市民の管理に有用であると立証される」と語りました。

ウイルスがまん延し、都市が封鎖される状況に追い込まれると、紙幣も同様の扱いを受けます。中国では、紙幣は紫外線もしくは高温のオーブンで消毒処理されています。米国やハンガリーでは、隔離された場所で14日間の検疫処理が行われています。

ネット決済可能なステーブルコインの需要増 CircleのCEOが強調

WHOは非接触型決済を勧めていますが、この数週間、ステーブルコイン特に米ドルと連結したデジタル通貨が一段と重宝されています。現に、米ドルと連結した2つのステーブルコインであるTeher USD(USDT)とUSD Coin(USDC)がかなりの量で市場に流入しています。さらにBinance USD(BUSD)やPaxos Standard(PAX)なども流入も目立ち始め、(時価総額で)デジタル資産ランキングの上昇が目立ちます。

USDC発行元サークル(Circle)の最高経営責任者(CEO)兼共同創業者のジェレミー・アレール(Jeremy Allaire)氏は3月13日Twitter上で 、「USDCは過去数日、市場の需要が高まり、時価総額は5億6,800万ドルと過去最高額(ATH)に達した。仮想通貨のマクロ市場内では『安全飛行』に魅せられているが、同時に市場には質の高いUSD流動性に対する需要も高まっている」とつぶやきました。

同氏はさらに、「デジタル、迅速、グローバル、セキュア、利用しやすさで代表されるインターネットドルの需要は、さらに増加するはずである。人々や企業は、相手方のリスクがより小さく、より安全確実に決済ができる構造を望んでいる」と述べ、「パンデミック後に出現しそうなより広範なマクロテーマは、信用を最小限に抑え、分散型のインフラストラクチャー、プログラム可能なドル、スマートコントラクト、パブリックチェーンに依存性を高める企業に対するニーズである」とつぶやいています。

参考
・Will COVID-19 speed the transition to digital currency?

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長瀬雄壱
フリージャーナリスト、大手マスコミのOB記者。在職中は社会部、科学部、外信部で記者活動を行なう。特に外信部では、10年余り海外特派員(3カ国)を務め、国際関係、政治、経済、社会、戦争取材など、あらゆる分野で記者活動を続けた。翻訳業務経歴は約50年あり、今でも海外ニュースを深くモニターしている。