1792年設立の老舗金融機関ステートストリートは12月17日、仮想通貨取引所でカストディアンでもあるウィンクルボス兄弟のジェミニ(Gemini)と共同し、Geminiカストディで保管している顧客の2種類の仮想通貨の報告過程をトラックするトライアルを開始すると発表。老舗金融機関の仮想通貨参入という大きな一歩となる。
ステートストリートとGeminiの狙い
17日のステートストリートの発表によると、Geminiが提供する仮想通貨のカストディサービスで保管している顧客の仮想通貨の財務報告をトラックすることで、最終的にステートストリートが保有する既存資産のサービスと仮想通貨の財務報告と統合することを目的としているという。
このトラックされる仮想通貨の名前は明かされておらず、2つの通貨を選んだ理由として流動性の高さによって選ばれたとしている。仮想通貨で最も高い流動性を誇るビットコインとイーサリアムやリップルなどの時価総額上位のアルトコインが選ばれているのではないかと推測される。これらの2種類の仮想通貨は最終的に他の仮想通貨やトークン化された証券になる可能性もあるという。
未来のお金との架け橋
Geminiの最高経営責任者(CEO)であるタイラー・ウィンクルボス(Tyler Winklevoss)氏は 「ステートストリートは1兆ドルを超える運用資産を有するが、今まで一度もセキュリティ上のハッキングや盗難などの被害にあったことがない。そして(Gemini)もハッキングされることはないだろう」 と述べている。
ステートストリートは既にGeminiと提携しており、Geminiが発行するGUSDの裏付けとなるドルのカストディを行っている。また、既存の機関投資家や大口投資家が安全に規制されている金融機関を通じ、よりシームレスに仮想通貨をポートフォリオに組みこむことができるとしており、「(Geminiは)未来のお金を利用するための架け橋を構築する手助けを行っている」と述べている。
確実に成長する仮想通貨需要
またステートストリートのデジタルプロダクト開発取締役のラルフ・アッカー(Ralph Achkar)氏は 「今は少ないが、ステートストリートのクライアントによる確実に成長している需要があり、この需要に対応する多くの技術や運営、規制や法的考慮なども成長している。そのためオープンモデルデジタル資産分野で確立され、規制下にあるGeminiとのトライアルを選んだ」としている。
既存金融機関はCMEのビットコイン先物やフィデリティのFDASなど、カストディや資産運用での成長が年々見られる。2019年での機関投資家向けサービスは、2020年もより成長していく分野となるだろう。
参考:State Street Teams up With Winklevoss-Founded Gemini Exchange for Digital Assets Trial
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