日々乱高下するビットコイン価格にもう驚かなくなった方も多いかもしれませんが、それでも多くの投資家にとって「いつ買うべきか・いつ売るべきか」の判断は難しいです。テクニカル分析は長短ともに売買のポイントを探る有用な分析手法となります。

テクニカル分析のエッセンスは、「どんな背景で」それを使うか、という点に尽きます。したがってきちんと基礎を振り返りスキルアップをしていきましょう。

移動平均線は最も多くの人が使用するテクニカルの基本

移動平均線は最もポピュラーなテクニカル指標であり、多くの人が使用しているいわばテクニカルの基本中の基本です。その最たる利点として、一目見るだけで相場のトレンドを把握できるシンプルさが挙げられるでしょう。

移動平均線とは、過去の一定期間(※)の終値の平均値をつないだ線の事を言います。データを平準化してバラツキを排除した数値を連続化することにより、ローソク足だけではわかりにくい相場の方向性を把握することが可能となるのです。

(※この「一定期間」を自分で選択することになります)

つまり、移動平均線を一目見るだけで”トレンド”が確認できるということです。これをローソク足と併用することで、「現在の値動き」と「大きなトレンド」を相対的に確認することができます。


図:みんなのビットコイン 日足、7月-8月

他のテクニカルにはない優位性

テクニカル指標は日々研究され、新しいものが生まれ続けていますが、その多くが過去の価格を平均化したものをベースにしており、中身には大きな差はありません。

しかし似通った数多くのテクニカル指標が存在する中でも、移動平均線には大きな優位性があります。その背景にあるのが、移動平均線を参考に売買をする人の多さです。

取引参加者の多い相場ほど、自分がどう思うかより、周りがどう思っているかを当てる“美人投票”のように価格が形成されるため、”そのテクニカルを参考にしている市場参加者がどれだけ多くいるか”という点がテクニカルそのもののメリットを左右するポイントとなります。

つまり、世界中で最も使用されているテクニカルであるからこそ投資家の思考や心理状態を簡易的に把握することができ、そのため移動平均線を参考にしている投資家が世界中に多くいるという相互作用が成り立っていることになります。

移動平均線の使い方

移動平均線の分析には、グランビルの法則や、ゴールデンクロス、デットクロスなど様々な方法がありますが、シンプルに考えると見るべきポイントは2つです。

トレンドの判断

先述のように、一目見るだけでトレンドが確認できるということが移動平均線の利点の一つです。着目すべき点もとてもシンプルです。

①移動平均線の向きと現在価格

移動平均線が上方向であるか、下方向であるかを確認し、移動平均線と現在価格を見比べます。この時、上方向の移動平均線に対し、現在価格がその上を推移していれば上昇トレンドと判断できます。反対に、下方向の移動平均線に対し、現在価格がその下を推移していれば下降トレンドです。

②移動平均線の角度

移動平均線の角度は相場の動きの強さを表しています。急であればあるほど強いトレンドであると判断して良いでしょう。

サポートライン、レジスタンスライン

移動平均線をサポートライン、レジスタンスラインとして使う考え方もあります。移動平均線に対し、現在価格が上がってきて跳ね返されたら売り、下がってきて跳ね返されたら買い。また、サポートラインを下抜けたら売り、レジスタンスラインを上抜けたら買いというのが基本スタンスです。

基本的にはトレンドの判断と、サポートライン、レジスタンスラインでの売買以外に特別な事をする必要はありません。この2点に着目することで十分戦うことができるからです。

テクニカル分析は複雑にするほど難しくなってしまいますし、高度なテクニカルを使えば勝てるわけではないのが面白いところです。

特にビットコインのような動きの読めない相場であればあるほど、多くの取引参加者は「経験より想像力」でお互いを探り合うようになります。

そのような想像力が対象にする範囲として、複雑なテクニカルよりかは寧ろ移動平均線のような直感的なテクニカルが重宝すると考えても良いでしょう。

移動平均線の変数

移動平均線には変数が存在しています。

これは「何日の」移動平均を「何本」使うかというもので、自身で選択しなくてはなりません。この変数に正解はないものの、ここでもやはりその変数を参考にしている投資家が多くいることが重要となります。

そのため、筆者はビットコインに関しては5日、7日、20日、28日といったきりのいい数値をお勧めしています。

取引スタイルにもよりますが、スイングトレード(数日から数週間の短期売買)であれば短期の5日、7日平均がメインとなり、長期スタンスでみれば20日、28日平均等を使用するのが良いでしょう。

また、一か月以上の移動平均線に関しては、相場の毛色が変わってしまう事が多いため、仮想通貨に関してはお勧めしていません。

上昇トレンドを形成してきたビットコインですが、特に短期で売買する人はタイミングを逃さないために移動平均線を活用してみてはいかがでしょうか。