ビットコイン(BTC)と強い関わりを持ち、自称ドルにペッグするテザー(USDT)を発行するテザー社と同じ親会社を持つビットフィネックス(Bitfinex)は、8億ドル(約857億円)を超えるクライアントの資金を失いその事実を隠した疑いで調査されるという。
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Bitfinexの消えた8億ドルのクライアント資産
ニューヨーク州の控訴裁判所は現地時間7月9日、テザー社と仮想通貨取引所Bitfinexに対して8億ドルを超えるクライアント資産を失ったことを隠したことに対する調査を行うと裁定した。テザー社によると、「失った8億ドルのクライアント資金はパナマの”クリプトキャピタルコーポレーション(Crypto Capital Corp)”にデポジットした。」としている。
クリプトキャピタルコーポレーションは、2019年10月に国際犯罪組織の薬物売買のマネーロンダリングに関わったとし、複数の国の政府により資産が差し押さえされているという。またテザー社によると、失った8億ドルの資産を取り戻すために取り組んでいるという。
テザー社はニューヨーク州の管轄
テザー社の発行するUSDTは、イーサリアムに次いで時価総額3位となっており、92億ドルの時価総額となっている。同社の主張によると、USDTは証券や商品ではないとし裁判所の管轄ではないとしていたが、ニューヨーク州控訴裁判所はこの主張を棄却した。
またテザー社はニューヨークを拠点としておらず、同州に住むトレーダーにもUSDTを提供していないため、特定の書類などの提出義務はないとの主張をしていた。だがニューヨーク州控訴裁判所は、「ニューヨークのトレーダーはUSDTを保有または使用しており、テザー社の数人のスタッフはニューヨークで仕事をしている」とし、この主張も同様に棄却された。
テザー社のUSDTは同社にデポジットされたドルと同数を発行する仕組みとなっており、この事実から失われた8億ドル以上の資金は時価総額の約9%にものぼる。従って1USDTの裏付けは実質0.91ドルということになるだろう。
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