第一弾:セキュリティトークンとは何か?~証券トークンについて知っておくべきこと

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第一弾:セキュリティトークンとは何か?~証券トークンについて知っておくべきこと

今後、数回に分けて「セキュリティトークン(Security Token/証券トークン)について」広範な解説を行います。セキュリティトークンというトピックは多くの投資が集まり、それにより様々なプロジェクトが立ち上がり、規制に関しても議論されている非常に重要度が高いトピックです。

ブロックチェーン業界全体で見ても、非常に大きいトレンドとして注目されています。
セキュリティトークンの売り出しは、IPO(公開株式市場に上場)、ICO(トークンの売り出し)に対して、STO(Security Token Offering)と呼ばれます。

関連:STO(セキュリティ・トークン・オファリング)とは何か?

今回のシリーズでは、セキュリティトークンについて最低限知っておくべきことを概観します。
最低限知っておくべきことというだけでも非常に広範であり、個別のプロジェクトが目指している市場や、スマートコントラクトの書き方については、興味を持った読者の方が各自調べてもらえればと思います。

セキュリティトークン(証券トークン)とは?

はじめに、そもそもセキュリティトークンの定義をはじめにしておきます。
セキュリティトークンは、証券をトークン化することを指し、従来から、券法の元で適切に規制されたアセットは、まずここに含まれます。広義には、現実社会のアセットのトークン化です。

具体的には、

  • 株式会社の株券
  • 不動産
  • 債権
  • デリバティブ
  • アート

などが含まれます。

これらをパブリックブロックチェーン上(またはプライベートチェーン上)にトークン化をして、取引できるようにします。

2017年はICOバブル下において多くのユーティリティートークンが発行されましたが、それは非常にあやふやな価値に基づいて発行されていました。そして、それらが問題と認識されたことも現在のセキュリティトークンの流れとは無関係ではないでしょう。

2017年の7月に筆者がコインチョイスに寄稿をした記事はこちらです。

関連:一般企業によるICOは、合理性があるのか

当然、証券をトークン化するわけですので、セキュリティトークンは、証券法で適切に規制されるべきですし、各プロジェクトはそのように動いています。

セキュリティトークンがもたらすメリットとは?

次に、セキュリティトークンがもたらすメリットとは何かを考えます。
主には下記に分類されるでしょう。

流動性

従来の証券取引所は、証券取引所の営業時間が決まっています。
東京証券取引所であれば9-15時で、間に昼休みが入ります。24時間のうち5時間しか場は開いていないですし、グローバルの投資家は、東京のタイムゾーンに合わせるが必要があります。

しかし、トークン化をすることによって暗号通貨と同じように、世界のどこでも24時間流動性を得れる可能性があると期待されています。これは流動性を引き上げることにつながり、大きなメリットです。

低コスト化

ブローカー、トランスファーエージェント、クリアリングファーム、カストディなど、証券が関わる業務には多くのエンティティが関わります。セキュリティトークンは、この中の全てではないですが、いくつかの業務を簡素化し、低コストにする可能性を期待されています。

コンプライアンスのコスト削減、そして自動執行

通常、証券に関わる業務、証券取引所のコンプライアンスには大きなコストがかかっています。xxの国の、yyの基準を満たした投資家であれば、zzの証券取引所では株式を購入できる~・・といった具合に、様々な制約があり、それに準拠するためにシステム構築をしたり、人力で監査をするなど大きなコストがかかります。

これをブロックチェーンでトークン化することでコンプライアンスの自動執行が期待されています。

具体的には、

  • 証券トークンにアクセスできる全てのアドレスはKYC(Know Your Customer:顧客確認)されており、それを取引所や市場ごとに確認するコストが減る
  • 適格機関投資家の基準を満たしたアドレスだけがアクセスできるトークンなどをスマートコントラクトで実装できる
  • ある国の投資家はアクセスができ、ある国の投資家はアクセスできないトークンなどをスマートコントラクト で実装できる
  • 資産証明などが容易

などが考えられます。

本コラムで次回以降、さらにセキュリティトークンについて知っておくべきことを引き続き概観していきます。

連載「証券トークンについて知っておくべきこと」
第一弾:セキュリティトークンとは何か?
第二弾:セキュリティトークンの領域にベットする主要プロジェクトリスト
第三弾:なぜ米企業はセキュリティトークンに熱心なのか?
第四弾:セキュリティトークン関連の最も重要な米国での議論



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