第六弾:セキュリティトークンの中期予想~証券トークンについて知っておくべきこと

編集部ピックアップ

第六弾:セキュリティトークンの中期予想~証券トークンについて知っておくべきこと

第1~5弾にかけて、セキュリティトークン(証券トークン)について広範な解説を行っています。

セキュリティトークンというトピックは、暗号通貨・ブロックチェーン業界でも非常に大きいトレンドとして注目されています。すでに様々なプロジェクトが立ち上がっており、規制に関しても度々議論されている重要度が高いトピックです。

セキュリティトークンの売り出しは、IPO(公開株式市場に上場)、ICO(トークンの売り出し)に対して、STO(Security Token Offering)と呼ばれます。

前回コラムまでセキュリティトークンについて基礎的なレベルの事項を概観した上で、最後に筆者個人的にセキュリティトークンに関連する将来予想を述べてみたいと思います。

▼連載
第一弾:セキュリティトークンとは何か?
第二弾:セキュリティトークンの領域にベットする主要プロジェクトリスト
第三弾:なぜ米国企業はセキュリティトークンに熱心なのか?
第四弾:セキュリティトークン関連の最も重要な米国での議論
第五弾:分散型金融のプロトコルはどのようにスタックするか

長期的には非常に重要な分野

まず大前提として、セキュリティトークン(証券トークン)は長期的に非常に重要な分野です。
このコラムの第一回で述べた、コンプライアンスの執行コストの低減やグローバルでの流動性などのメリットを実際に得られたら、非常に大きいといえます。

中期的には幻滅期を迎える可能性も

ただし中期的には、規制の影響もあり、株式型クラウドファウンディングと比較して大きなメリットを提示できないのではないのかという懸念があります。アメリカでは、適格投資家が扱えるプライベートエクイティの二次流通市場やスタートアップ株のブローカーディーラーもあります。

端的に言えば、今の規制でできることは現在すでに全て行われていて、規制が変わらない限り、本来セキュリティトークンのメリットとされるところは引き出せないだろうという懸念があります。

そして、規制についてもアメリカではすでに議論がされていますが、半年や1年で変わることは現実的ではないだろうと思います。単一の国であってもこういった状況であり、グローバルの異なる市場で相互で出来高の高い流動性を得ることが実現するまでの時間軸はさらに長く見積もるべきかもしれません。

パブリックブロックチェーンに金融商品を載せることによって発生する技術的課題

同時に技術的観点からも、イーサリアム(Ethereum)などのパブリックブロックチェーンに金融商品を乗せるのは早すぎるのではないか?という懸念が考えられます。パブリックブロックチェーンの価値より上のトークンの価値が上がってしまうと、フロントランニングなどで取引を妨害したりする動機が強くなってしまう可能性があります。

パブリックブロックチェーン、例えばイーサリアム(Ethereum)のセキュリティは、ETHの時価総額によって表現されるのにも関わらず、上物の時価総額が先に膨れ上がってしまいます。こういった指摘に対して、ethmintなどイーサリアム(Ethereum)と互換性があるコンソーシアムチェーンのようなもので証券をトレードするなどの解決策が考えられるなどの議論がすでにあります。

現時点で多くの投資が集まり、それに比例して様々なプロジェクトが立ち上がっているセキュリティトークンについても、このような懸念やどのくらいの時間軸で将来を見据えるかは意識しておくべき点だろうと思います。

連載「証券トークンについて知っておくべきこと」
第一弾:セキュリティトークンとは何か?
第二弾:セキュリティトークンの領域にベットする主要プロジェクトリスト
第三弾:なぜ米企業はセキュリティトークンに熱心なのか?
第四弾:セキュリティトークン関連の最も重要な米国での議論
第五弾:分散型金融のプロトコルはどのようにスタックするか
第六弾:セキュリティトークンの中期予想
第七弾:セキュリティトークン情報収集おすすめサイト5選


筆者が運営する研究所サロンでは、このような動向解説から更に深い業界のビジネス分析、技術解説、その他多くの議論やレポート配信を行なっています。ご興味ある方はぜひご利用ください。

▼d10n lab 未来を思考するための離合集散的コミュニティ
https://d10nlab.com/

編集部ピックアップ

マルチシグ管理の安心・安全ウォレット