米政府内にデジタル通貨発行を検討する動きがある2つの理由

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米政府内にデジタル通貨発行を検討する動きがある2つの理由

G7財務相・中央銀行総裁会議が、Facebook独自のステーブルコイン「リブラ(Libra)」の発行に疑義を表明して、早急な対策を呼びかけた結果、米政府内に連邦準備制度理事会(FRB)から独自のデジタル通貨を開発、発行する可能性を検討する動きが広がっています。

デジタル通貨発行はリブラや中国人民銀行による開発の圧力が影響

Facebookのマーク・ザッカーバーグ(Mar Zuckerberg)最高経営責任者(CEO)は2019年10月23日、米下院金融サービス委員会で証言することになっています。民間企業が独自の通貨を所有し、世界の決済ステムを支配することは、受け入れがたい事態なのでしょう。議員の間で高まっている懸念、特にリブラが及ぼす不確かな影響を懸念して、デジタル米ドルを発行する計画を進めるとなれば、事態は一挙に大きな議論に発展する可能性があります。

米政府のデジタル通貨発行の動きは、リブラの未知の影響だけではありません。中国が特に2019年になって、デジタル人民元を発行する計画を進め、すでにその準備が整ったことが、人民銀行(Bank of China)幹部によって確認されています。中国は特に、Facebookのリブラに脅威を抱き、デジタル人民元の発行を急いでいることは確かのようです。そのデジタル通貨の発行は19年11月との報道すらありましたが、公式に否定されています。米国政府はデジタル通貨発行で中国に後れを取ることを恐れています。

デジタル米ドルの発行計画の声は上がっていますが、現状ではなお「話し合いの段階」で非公式なものです。規制当局はここまで、どのような手続きで処理するか考慮中ということで、必要な手順などは未定です。

米規制当局者の中にもデジタル通貨発行は避けられないとの見方

米国政府が考えているデジタル通貨による決済システムについて、いくつかの疑問が出てきます。そのデジタル通貨は米ドルのバーチャルユニット(virtual unit)そのものなのか、デジタル化された米ドルなのかそれとも全く別ものかということです。さらに全く新しいユニットなら、ドル紙幣にマイナスの影響を与えないのか、といった問題が持ち上がります。

一部の規制当局者は、デジタル米ドルの出現は不可避と見ています。フィラデルフィア連邦準備銀行のパトリック・ハーカー(Patrick Harker)総裁は、米政府が発行するデジタル通貨による決済システムは不可避であり、「私はデジタル通貨の発行を始めた方がいいと思う」と述べています。

「デジタル通貨発行はサイエンスフィクションではない」

金融委員会議長のビル・フォスター(Bill Foster)下院議員(民主)は最近、「消費者向け決済システムは、(競争にはならず必然的に独占状態となる)自然独占(natural monopoly)であり、マイクロソフトの世界もそれである」とコメントしています。

フレンチ・ヒル(French Hill)下院議員(共和)は、連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長にFRBとして何ができるのか文書で回答を求めています。同議員は「デジタル世界がどのように発展すのか、われわれは誰も正確には知らない。しかし、この種の準備作業と分析をすることは重要である」と述べています。

クリスティーヌ・ラガルド(Christine Lagarde)氏は最近、国際通貨基金(IMF)専務理事から欧州中央銀行(ECB)総裁に就任す直前、各国政府がデジタル通貨を発行する問題は「サイエンスフィクションではない」と断言しています。フランス、ドイツなどEU諸国やカナダなどのデジタル通貨発行計画の検討は、少なくとも米国に先行しています。

参考
Fear of Facebook spurs momentum for Fed to build its own digital currency
U.S. Considers Developing Digital Currency to Compete with Libra

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