欧州統一ICO規制案、採用により企業や銀行の仮想通貨保有の鍵となるか

2928

編集部ピックアップ

欧州統一ICO規制案、採用により企業や銀行の仮想通貨保有の鍵となるか

9月4日、欧州議会議員(Member of the European Parliament/MEP)であるAshley Fox氏がクラウドファンディングのルールに基づいた、ICO規制を提案、聴聞会にて議論が持たれたことは記憶に新しい。

欧州議会議員は、新たなICO規制案が、よりICOにアクセスしやすくなるための鍵である考えているようだ。議員の1人Ashley Fox氏が提案した規制案は、トークン販売額の上限800万ユーロ、顧客確認、アンチマネーロンダリング法(KYC/AML)を満たすという条件が提示されている。

▼あわせて読みたい
欧州議会、クラウドファンディングのルールに基づいたICOの「基準」を検討

新たなICO規制草案:目標は透明性、リスク&価値の調査

しかしFox氏は、仮想通貨メディアCoindesk誌 9月9日掲載のインタビューにて、この規則には罰則規定はなく、自主的なものにすぎないと語った。Fox氏はこうした提案をした理由について以下のように語っている。

「目標とすることは、ICOに透明性をもたらすこと、仲介業者が顧客に対してしっかりとICOのリスクや価値を提示できるようになることだ。」

今回の規制草案が正式に採択されれば、EU全土で統一の規制が敷かれることになる。規制の利点として、(規制を)遵守した方が、より広い市場にアクセスできるというわけだ。Fox氏は規制案を義務付けなくとも、メリットが分かれば事業者は自主的に規制に従うだろうと同インタビュー内にて語っている。

欧州の銀行や金融機関がICO規制案の誕生を待望

EUで統一されたICO規制案を望むのは何も熱心な仮想通貨信者たちだけではない。昨今ではブロックチェーン技術の革新性から、仮想通貨を保有したい銀行も増えている。だが、実際にはデューデリジェンスの問題があり、保有することに二の足を踏んでいるのが現状だ。

欧州連合の専門機関の一つである欧州銀行監督局で、銀行市場、イノベーション、顧客部門のディレクターを務めるピアース・ハーベン(Piers Haben)氏は先週、9月4日(火)に行われた聴聞会にて金融機関と相談をしたと語ったうえで、Coindesk誌のインタビューに対して欧州の金融機関が仮想通貨を求める理由について以下のように説明した。

「金融機関は、ブロックチェーンや仮想通貨関連の最新技術を理解するため、そして仮想通貨を利用してICOに投資するために仮想通貨を求めている」

11月には最終的な議論、12月に欧州議会の公式な立場が決定見通し

既述の通り、規制の草案は9月4日に提出された。1週間の議論、再検討を経て、現地時間9月11日に改正案を提出。11月には欧州経済金融問題委員会(ECON)立会いの下、最終的な議論が行われ、欧州議会の公式な立場が11月下旬から12月初旬には決定する見通しだ。最終的に欧州理事会にて、2月末までに否定または採用されるかが決定される。

規制案はいまだ議論の最中だ。すでに、コインチョイスでも報じたように、ICO詐欺の流行を踏まえてセキュリティ面の厳格化を求める声も上がっている。加えて、実際に資金調達の手段としてICOを行うのであれば、800万ユーロという上限は低すぎるという意見も上がっている。改正案にはどのような変更案が盛り込まれるのか、今後の動向を注目したい。

参考:Coindesk