不安定なビットコイン(BTC)市場、ソフトバンクやロビンフッダーの影響も

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不安定なビットコイン(BTC)市場、ソフトバンクやロビンフッダーの影響も

先週の米株式市場では、急騰していたハイテク株が急落し、不安定な動きを巡ってソフトバンクの取引が話題を集めました。また、投資ブームの旗振り役「ロビンフッダー」の動向も注目されています。

ソフトバンク、オプション取引でハイテク株に集中投資

米証券当局に提出された資料によると、ソフトバンクはこの春、アマゾン・ドット・コムやマイクロソフト、ネットフリックス、テスラの株式40億ドル(約4,300億円)近くを取得しました。さらに、これとは別に40億ドル相当のコールオプションの購入が指摘されており、これは500億ドル(5兆3,000億円)規模の取引に相当するとのことです。

米国では時価総額の上位をハイテク株が独占しており、アップル、マイクロソフト、アマゾン、フェイスブック、グーグルの親会社アルファベット、フェイスブックの5社がS&P500種指数の時価総額に占める割合は8月末時点で26%に達しており、一握りのハイテク株の動きが相場全体を左右しています。

こうした中でのハイテク株オプションの大量購入はヘッジ取引を通じて相場の上げ下げを加速する可能性があるようです。例えば、現在100ドルの株式を200ドルで1,000株購入するオプション取引では、オプションの売り手は株価の上昇に伴ってヘッジ比率を上昇させる必要があります。110ドルでは100株、120ドルで追加で100株(計200株)、150ドルで計500株と順次持ち高を増やし、200ドルで計1000株を購入するとフルヘッジできる計算です。

ここで、150ドルまで上昇していた株価が140ドルに反落した場合には100株売却して手持ちの株式を計400株としてヘッジ比率を下げることになります。ヘッジ戦略は多様ですので、実際にはこように単純ではありませんが、一般論としてヘッジ戦略では株価が上昇すると買い、下落すると売ることになりますので、相場の振れを大きくすると考えられています。

個人投資家の投資ブーム、新型コロナでの所得増・消費減が影響か

3月以降の株価急回復の背景として、個人投資家による投資ブームが指摘されています。米株式市場での取引に占める個人投資家の割合は、1-6月に19.5%となり、昨年末の14.9%から大きく上昇し、2010年に比べると約2倍となっています。日によっては取引の約25%を個人投資家が占めることも珍しくないと言われています。

ブームの背景として、新型コロナ流行の影響で、所得が増加した一方で、消費が減少した結果、貯蓄が大幅に増え、余裕資金が急速に増えたことが挙げられています。米個人所得の伸びを前年同月比で見ると、2月の4.1%増から3月に1.8%増に鈍化した後、4月に14.1%増に急増し、7月でも8.2%増と高い伸びを維持しています。昨年12月時点で2.9%だったことを踏まえると、4月以降に所得が劇的に増えていることが分かります。

これには大型の景気対策による現金給付や失業保険給付金の上乗せなどが影響しています。米議会予算局(CBO)によると、失業保険受給者のうち6人に5人が失業前の所得を上回る給付金を受け取りました。一方、ロックダウン(封鎖措置)で消費が限られたことで、貯蓄率が急上昇しており、12月に7.2%、2月でも8.3%だった貯蓄率が4月に33.7%に急上昇しています。貯蓄率は7月時点でも17.8%と異常に高い水準にとどまっています。

ロックダウンが解除されても、旅行や外食、映画、観劇、美術館、スポーツ観戦など、レジャー費や交遊費などは元に戻ってはいません。在宅勤務で、交通費やガソリン代も浮いたままです。米国は戦後最悪の景気後退と失業率に見舞われましたが、失業者も含めて所得が激増したことから、ルイヴィトンなど高級ブランド品が売上高を伸ばしており、余裕資金の一部が株式市場に流れ込んだと考えられています。

ロビンフッドイメージ

過剰とも言える失業対策、「ロビンフッダー」に恩恵

投資ブームのけん引役となったのが「ロビンフッダー」です。ロビンフッダー とは、直接的には米国のロビンフッド証券が提供するスマホアプリで売買を行う個人投資家のことを指しますが、広くスマホで手軽に株取引をする若者全般を表していると考えても差し支えないでしょう。

ロビンフッドの利用者は、昨年末時点の1,000万人から半年で300万人増えました。6月の取り引き件数は431万件で、4-6月は1-3月と比べて件数が2倍に増えたということです。ロビンフッドの魅力はゲーム感覚で簡単に株式を購入できるインターフェースにありますが、手数料が無料で、1株単位ではなく0.1株といった小口で投資できることも人気の背景に挙げられています。ロビンフッダーの増加に伴って、オンライン証券大手が相次いで手数料の無料化に踏み切ったほか、投信大手フィデリティ・インベストメンツが1株未満取引に参入しています。

ロビンフッドの利用者は平均31歳と若く、新型コロナの感染拡大による外出制限と手厚い景気対策が追い風となりました。失業給付金では無条件に週600ドルが加算されましたが、これは学生のアルバイトにも適用されています。家賃や生活費のために、例えば月1,200ドル程度のバイト代を得ていた学生の場合、まず通常の失業保険として収入の5~6割程度が支払われるので、月600ドル、週150ドル程度が支払われる計算となります。加えて特別給付金として週600ドルが支払われますので、合計で月3000ドルを手にする計算です。

コロナ対策として、家賃の支払いも猶予されましたので、当面は使う予定のない3,000ドルが毎月振り込まれるケースもあったようです。家賃のほかにも住宅ローンや学資ローンの支払いが猶予されています。若年層では持ち家比率が低いことを踏まえると、失業の有無にかかわらず、家賃と学資ローンの猶予は特に若年層に大きな余裕を生んだようです。巣ごもりで手持ちぶさたとなる中で、ロビンフッダーの中核をなすとみられる学生や若年層が大きな余裕資金を手に入れたことが投資ブームの追い風になったと考えられています。

ロビンフッダー 仮想通貨ではイートロを利用、「コピー」機能が人気

投資ブームは株式のならず、住宅や金などあらゆる資産価格を押し上げており、その恩恵はビットコインへも波及しているようです。金価格が過去最高値を更新して話題となりましたが、金を購入するのは比較的高齢者と言われており、若年層にはビットコインが人気のようです。

ロビンフッダーは、仮想通貨取引でのプラットホームとしてイートロ(eToro)を利用している人が多いようです。同社の全世界での登録ユーザーは約1,300万人で、来年には米国での株式取引の開始を予定しています。実現すれば株と仮想通貨が同じプラットフォームで取引できる可能性があります。

イートロは他のユーザーが行った取引内容をコピーできるサービス「コピートレーダー」を提供しています。このサービスでは希望のトレーダーを指定して、その取引を「コピー」できます。自分で調べる時間がない人、投資未経験もくは経験の浅い人を想定して提供していますが、投資のプロも参考にしているとのことで、米ユーザーの約8分の1が利用しています。

ウォール街の見方は「健全な調整」も波乱含みで要警戒

今年に入って、基調的な動きでは米国株とビットコインは連動している様子がうかがえますので、株高をけん引してきたハイテク株の調整は気になるところです。ただ、ウォール街のアナリストの大半は、先週の下落を「健全な調整」とみています。ハイテク株の上昇は堅調な業績に裏打ちされてはいるものの、上昇スピードが速すぎたことから、ある程度の調整はむしろ好ましいと考えられているようです。

また、米連邦準備制度理事会(FRB)による緩和的な金融政策が相場の下支えとして期待されてもいます。とはいえ、米国で実施された3兆ドル(約320兆円)規模のコロナ対策も足元では息切れぎみとなり、追加対策が待たれています。追加対策が遅れるようだと、一段の調整を招く恐れがありますので過度な楽観は禁物といえるでしょう。また、信用枠を利用しているロビンフッダーが証拠金不足を補うために手持ちの現物の売却を余儀なくされ、下げ足を速める可能性もありそうです。

いずれにしても、ここ最近はやや波乱含みとなっていますので「休むも相場」の格言を頭の隅に置くとよいのかもしれません。

参考
Economic Effects of Additional Unemployment Benefits of $600 per Week
SoftBank’s Bet on Tech Giants Fueled Powerful Market Rally
Sudden Volatility in Tech Stocks Unnerves Investors

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コインチョイス海外編集部
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