Enigma(エニグマ)プライバシープロトコルのユースケースとは?

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Enigma(エニグマ)プライバシープロトコルのユースケース

ブロックチェーンのセカンドレイヤーとして機能するため、開発が進められているEnigma(エニグマ)。このEnigmaの技術は、どういった未来をつくることができるのだろうか。

現在のブロックチェーンにおける課題

ブロックチェーンを単体で使うには、様々な問題が浮上してくる。
自分が生成したデータをブロードキャストし、ネットワークに送信する。このデータをたくさんのノードで計算し、トランザクションを検証し、いずれかのノードが計算によって承認する。承認されたデータは、再びネットワークの全ノードにブロードキャストされている。

このブロックチェーンの仕様により、検証には時間がかかっている。また、ブロードキャスト(送金など含む)する際にかかる手数料も高くなってしまっている。今後ブロックチェーンの需要が拡大していくと、さらにネットワークに負荷をかける形となってしまう。また、ブロックチェーン上のデータは誰でもみることができる。

Enigmaプロトコルでは、これらのブロックチェーンの課題に取り組み、ブロックチェーンテクノロジーをより拡張あるものとして、現実社会に応用できるように開発を進めている。

Enigma(エニグマ)プロトコルが取り組むもの

  • ブロックチェーンのスケーラビリティへの課題
  • 取引データのプライバシーへの課題

この2つの課題を軸に、オフ・チェーン・ネットワーク(ブロックチェーンの外で計算などを行う)として解決していく。Enigmaのシークレットコントラクトでは、データのプライバシーを保ちながら演算し処理することができ、これにより革新的なアプリケーションを構築することが可能。

Enigma(エニグマ)チームによるユースケースの一例

個人データの再販を防止し、プライバシーを保持する

データマーケットプライスでは、個人や企業(団体)などの機密データを共有する必要があるが、データの出口に問題生じる。個人または、団体が自分のデータを一度販売すれば、データの購入者は購入したデータを再販することができる。

この問題を解消するには、データのプライバシーを確保しながら計算を実行できること。これにより、データの真の所有者を保持することができる。

Enigma(エニグマ)プライバシープロトコルのユースケース画像参考:Enigma公式より

ゲノミクスデータの計算

現在、ゲノミクスシーケンシングの企業は、ユーザーのゲノムデータ(遺伝情報)を製薬会社に販売する市場を創出している。ユーザーの同意により、ゲノムデータの情報が企業に譲渡され、そのデータを購入した製薬会社はどのゲノムが特定の疾患と相関があるかを予測することができる。

製薬会社とユーザーの間でコミュニケーションチャンネルがないため、患者の習慣(食事、喫煙、飲酒など)を分析し統合できない。Enigmaでは、多くの研究を促進するインセンティブを生み出し、研究開発計画を立てやすくすることができる。

Enigma(エニグマ)プライバシープロトコルのユースケース画像参考:Enigma公式より

医療データ

ヘルスケアデータは、データのプライバシーに関する疑問があり、参入障壁が大きい。機械学習のスタートアップは、患者のデータを扱うヘルスケア提供者と一緒にNDA(秘密保持契約)をする必要があり、これは金銭とデータを引き換えとする秘密を保持したなスマートコントラクトに変わる可能性がある。医療モデルに最適な予測モデルを適合させることができる。

これらのモデルは、モデルとデータの両方がプライベートのまま実行される。最も正確な結果を得るために、様々な企業や研究者で競争されるだけでなく、個人が継続的に医療データを収益化することができる。

Enigma(エニグマ)プライバシープロトコルのユースケース画像参考:Enigma公式より

信用評価、分散ローン

銀行サービスを分散型エコシステムに移行させることに取り組んでいる。P2P融資サービスや与信評価など。他の分散アプリケーションへ接続し、ユーザーの支出と与信履歴を更新するデータベースが必要となる。

ここに5種類のウォレットがあるとする。5つのウォレットを使って、実際に使用しているウォレットを明らかにせずに、責任ある借り手であることを証明する。取引データを取りこみ、新しい取引でブロックチェーンを継続的に更新する賢明な契約が必要となる。また、暗号通貨ウォレットに基づく動的なクレジットスコア算定などの計算にはプライバシーが必要となる。

Enigma(エニグマ)プライバシープロトコルのユースケース画像参考:Enigma公式より

身元検証

現在の分散型アイデンティティアプリケーションは、主に有効なIDをブロックチェーンに格納することに重点を置いている。ユーザIDが検証されたときの認証を有効にすることに依存する。

アイデンティティデータに対して計算を行うことはできない。Enigmaが可能にするプライバシーを保持した計算なしでは、ユーザーのグループに対して、匿名化された分析を実行することはできない。

IoT(モノのインターネット)

誰がデバイスを所有しているかにかかわらず、またデータのプライバシーをさらすことなく、IoTデータに対する分析を個人や企業に提供できる。あらゆるIoTデータ市場をスケーラブルで、当事者にとって有用なものにするためにEnigmaは必要となる。

Enigma(エニグマ)の今後、考えられる動きとは

Enigma公式が述べているユースケースを見てみると、個人などのプライバシーデータを守りつつ、そのデータを秘匿のまま計算し利用することができることがわかる。ユーザーにとっても、プライバシーデータが継続した収益モデルとなり、企業としても、そのデータがあるおかげで、統計を得られ、新たなサービスや商品開発に発展しやすいのではないだろうか。

一部の機関にデータを渡したことで、第三者への漏洩は、そこに依存してしまう現状がある中、Enigmaプロトコルによる秘密データを保持する仕組みは、現在の社会問題と結びつく点が多いようにも思う。

これから益々デジタル社会が進む世の中で、自身のデータを守ることは、重要になってくると思う。Enigmaプロトコルのこれからの開発と、それを利用したアプリケーションが生まれてくることに期待する。

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