イノベーションはウズベキスタンのような途上国から生まれるのかもしれない

2019

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イノベーションはウズベキスタンのような途上国から生まれるのかもしれない

五月雨まくら(@samidare_makura)です。
本稿では、ウズベキスタンのブロックチェーン産業への取り組みについて考察します。

ウズベキスタン政府と韓国ブロックチェーンビジネス協会(KOBEA)が覚書に署名

ウズベキスタン政府は、初の政府認可の仮想通貨取引所を設立するため、韓国ブロックチェーンビジネス協会(KOBEA)と覚書(MOU)に署名しました。これによって、ウズベキスタン大統領の下にあるNAPM(The National Agency of Project Management)は、同国における仮想通貨とブロックチェーン分野の発展を目指します。今後数年間で、ウズベキスタン政府は、仮想通貨、ブロックチェーン産業の革新的なスタートアップやプロジェクトに資金を提供するために大規模なファンドの設立を進めます。

ブロックチェーン産業を発展させようとする新興国の取り組み

ウズベキスタン政府関係者は、ブロックチェーン関連事業を緩やかな規制枠組みを用意することで誘致するマルタとスイスのツーク市(zug)の取り組みを評価して、仮想通貨の新興企業にフレンドリーなエコシステムを創造することに前向きです。「ブロックチェーン島(the blockchain island)」と称されるマルタでは直近、数百億ドル規模の複数の企業が同国に本社を移転させました。

仮想通貨取引所のBinance(バイナンス)社と英国ベースの新興企業Recolut社は、マルタに新しい本社を設立して、数百人の従業員と毎月数億ドルの利益をもたらしています。また有名なブロックチェーンプロジェクトであるTron(トロン)は、今後数ヶ月の間にマルタに拠点を移動させる予定です。

ウズベキスタン政府は、マルタ、韓国の釜山(プサン)・済州(チェジュ)島、スイスのツーク市(zuq)などの主要仮想通貨市場と競争するために、大規模な研究開発センター、Chorvoq(チャルヴァク)のマイニングタウン、仮想通貨取引所と銀行の効率的な連携体制を確立するとしています。

ブロックチェーン市場の競争は激しくなっている

もっともウズベキスタンがブロックチェーン産業にフレンドリーな環境を生み出すことができたからといって、すぐさま市場として成功できるわけではありません。マルタ、韓国、スイス、フィリピン、シンガポール、タイ、そしてヨーロッパの多くの国々ではすでに、ブロックチェーンの新興企業のために有利な政策を導入しています。つまり単に実用的な規制の枠組みを用意するだけでは不十分だということです。

しかし、ウズベキスタンのICO(Initial Coin Offering)、マイニング、トレーディング、ディベロップメント(開発)を含む、仮想通貨市場のさまざまな分野への楽観的見解は、企業がウズベキスタンに拠点を設ける動機として魅力的であることも確かです。

五月雨(筆者)の結論と考察

ウズベキスタンが仮想通貨市場として競争力を持ち、多くの企業を誘致することが可能になるまでは、数ヶ月から数年といったタイムスパンが必要です。

ただ既存産業の経済発展に乗り遅れてしまった多くの発展途上国にとって、ブロックチェーンという新しい産業への参入は、国家の発展を推し進める上で十分、チャレンジする価値がある試みです。先進国が融通のきかない規制を検討している間に、イノベーションはウズベキスタンのような途上国から生まれるのかもしれません。

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参考:CCN