大手ベンチャーキャピタル、米SECに対し仮想通貨を証券として分類しないように要求

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大手ベンチャーキャピタル、米SECに対し仮想通貨を証券として分類しないように要求

「ベンチャー・キャピタル・ワーキング・グループ(以下:VCWG)」としてセルフブランディングしているグループが米国証券取引委員会(SEC)に対し、いくつかのトークンと仮想通貨の規制に関して違法とならない範囲を定める「セーフ・ハーバー・ルール(安全港規定)」を提案した。

仮想通貨業界の大手ベンチャーキャピタル2社はSECに対抗

2018年3月28日、ベンチャーキャピタルファーム「Andreessen Horowitz(アンドリーセン・ホロウィッツ)」によって集められた弁護士および投資家は、すべての仮想通貨を証券と定義し、より厳しい監督の対象とする法案に反対するロビー活動を行うためにワシントンでSECと会談を行った。

仮想通貨業界の大手2社であるアンドリーセン・ホロウィッツと、Union Square Ventures(ユニオン・スクエア・ベンチャーズ)もこのVCWGに参加している。同大手2社は規制当局が提出した法案のように仮想通貨を証券とみなす代わりに、いくつかの仮想通貨を「ユーティリティトークン」として扱うことを提案した。

ニューヨークタイムズの記事にもあったように、これは仮想通貨の能力を問う議論である。あるトークンがICOを通して発行され、単に価値を投資手段として機能するだけになるのか、あるいは中央集権的な管理から離れることによって、支払手段としての利便性を持つ存在になれるかどうかという議論だ。

記事ではビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)の2つが例として取り上げられている。ビットコインはICOを通して発行されておらず、日々マイナー(採掘者)が新しいコインを発行するためにブロックを生成し、それによってネットワークを維持している。そのためビットコインは証券として規制対象になることはないと考えられている。

一方イーサリアム(ETH)は、ICOと呼ばれているプレセールで発行された。SECはこのことが証券として定義される決定的な要素だと考えている。

仮想通貨に関する案件を扱う法律事務所Polsinelliの弁護士Richard Levin氏の発言がニューヨークタイムズによってこのように引用されている。

「これは今までの議論に決着をつける瞬間だ。私たちはこの法律について知らなかった、あるいは十分な情報を知らされてこなかったのだ。同じく何も知らされてこなかったデジタル資産コミュニティの多くの企業が、規制当局の影響下にあるという事実を受け入れている。」

仮想通貨は「証券」になりうるのか

この1年でICOによって調達された資金は60億ドル(日本円約6,500億円)におよび、数千の仮想通貨が創られた。これらのトークンは、支払い手段としての利用を意図し生み出されたものだ。仮想通貨関連企業は、支払いに特化した機能こそが仮想通貨の存在価値であるとし、それ故に仮想通貨は証券とは考えられないと主張している。
※日本円換算は記事公開時点のレート

SECの委員長Jay Clayton(ジェイ・クレイトン)氏はそれとは意見を異にしており、ICOによって発行されたほとんどすべてのトークンは証券として規制されるべきだと考えている。SECは潜在的な投資家に対してICOが証券なのかどうかを決定するために、数十人の人々および企業を召喚している。

法律によると、証券は規制当局に登録する必要があり、株式やコモディティのように登録された取引所でのみ販売することができる。現時点では仮想通貨を扱う登録取引所は無い。

SECは仮想通貨を規制する政策についてまだ明らかにしていないため、トークンを証券として登録する方法を探っている起業家もいる。一方、いくつかの仮想通貨取引所は証券取引所として登録する道を探しているというのだ。

参考:NEWS BTC

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