仮想通貨を大量保有、市場を混乱に陥れるクジラの存在が高まっている事情

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仮想通貨を大量保有、市場を混乱に陥れるクジラの存在が高まっている事情

アナリストたちの予測によると、ビットコイン(BTC)価格が2020年以降大幅に上昇するとの期待から、暗号資産(仮想通貨)を大量に取得・保有するいわゆる「クジラ(whales)」の存在が高まろうとしています。

クジラは仮想通貨空間では概して嫌われ者です。彼らがビットコイン価格の動きに大きな影響を与え、そのボラティリティ(価格変動)を高め、市場を混乱させるという見方が強いからです。

クジラは1,000から100万枚のBTCを保有する仮想通貨富豪

クジラは、1つのアカウントに大量の仮想通貨を保存する個人のことです。彼らが一旦このコインを動かせば、ほかの投資家に大きな影響を与えるほどの価格変動をもたらすからです。

クジラは、1つのアカウントに1,000から100万枚のビットコインを保有する「仮想通貨富豪」と見なされています。米テキサス大学のジョン・グリフィン(John Griffin)教授のリポートによると、2017年12月に発生したビットコイン価格高騰の裏には、大手取引所ビットレックス(Bttrex)のアカウントを通じて、大量に売買して価格操作をしたクジラが存在したということです。結果としてビットコイン価格は、一時的に2万ドルまで高騰、その直後の18年初めから大きく下落したことは周知の通りです。

グリフィン教授はリポートでクジラの危険な行動を説明して、「仮想通貨を保有する数人の大きなプレーヤーが存在するという問題は、それを売りに出す際に、価格の下落を招き、市場に大きな変動をもたらすことである」 と指摘しています。

クジラは静かな市場を好まず、下げ相場で打撃を与える

仮想通貨投資家でジャーナリストのアーロン・ブラウン(Aaron Brown)氏によると、クジラはもう1つの大きな問題になります。クジラは市場が順調に取引されている状態を好みません。ビットコインが一旦下げ続ける相場になると、クジラは素早く手持ちのビットコインを売りに出し、市場に打撃を与えることになります。

またブラウン氏は次のようにコメントしています。「クジラは実利面で大きな成長がない限り、いつまでも続く忍耐力を持っているとは思わない。彼らにはほかの有望なテクノロジーを求めてもらって、静かにこの場(仮想通貨市場)を撤退してもらいたい。彼らには仮想通貨あるいはその裏にあるアイディアやテクノロジーのいずれにも、大きな金銭上もしくはイデオロギー上のコミットメントは持ち合あせていない」。

全供給量の内クジラが保有するビットコインは42%に増加

ビットコインのクジラは個人だけでなく、機関もしくは企業そのものではないかという推測も広く存在します。例えばフィデリティ・インベストメンツ(Fidelity Investments)は現在、機関投資家に仮想通貨取引サービスを提供していますが、これら投資家はデジタル取引コミュニティーの中でますます高い割合を占めていると思われます。

ブルームバーグ(Bloomberg)がCoin Metricsを引用したデータによると、ビットコイン保有データを調べた結果、クジラは17年末の価格高騰のころの37.9%から、今やビットコイン全供給量の42.1%を占めています。

ボストンにある仮想通貨格付企業フリップサイド・クリプト(Flipside Crypto)のデータサイエンス部長であるエリック・ストーン(Eric Stone)氏は、このような状況について、「ビットコインは引き続きボラタイルであろう。数少ないビッグウォレットが大量のコインを保有している状態だ。取引所市場は規制も監査も受けていないので、市場を思うままに操る者に、まさに大きな可能性が存在する」と語っています。

ビットコイン(BTC)の価格・相場・チャート

参考
Analysts Say Whales’ Presence Is About to Get Larger
Bitcoin Whales Consolidation May Mean More Turbulence Ahead

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長瀬雄壱
フリージャーナリスト、大手マスコミのOB記者。在職中は社会部、科学部、外信部で記者活動を行なう。特に外信部では、10年余り海外特派員(3カ国)を務め、国際関係、政治、経済、社会、戦争取材など、あらゆる分野で記者活動を続けた。翻訳業務経歴は約50年あり、今でも海外ニュースを深くモニターしている。