機関投資家がビットコイン(BTC)市場に参入する場合にどのような指標を見るのか

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機関投資家がビットコイン(BTC)市場に参入する場合にどのような指標を見るのか

機関投資家がビットコイン市場に参入する場合にどのような指標を見るかについて、分析サイトのコイン・メトリックス(Coin Metrics)がレポートを発表しました。本コラムではその内容を一部要約して、考察を付け加えます。

機関投資家が参考にするビットコイン市場の指標

Coin Metricsの分析観点は、主に取引高です。機関投資家にとって投資する対象の出来高は重要な要素であり、株式・債券・為替のマーケットと比較しています。なぜ出来高が重要であるかというと、流動性が低いアセットの売却の際に大きな手数料コストを払うことになる点や、ポートフォリオの入れ替えが困難であるからです。

同社の分析による、ビットコインの5月の日次の取引高を平均して、株式・債券・為替のマーケットとの比較したグラフが以下です。

ビットコイン比較

ビットコインの出来高は、株式の100分の1、債券とは200分の1、為替とは500分の1の取引高しかありません。これは言い方を変えるならば、ビットコインは為替と比較して500分の1、売却しにくい資産であるということです。しかしながら、ビットコインの取引高は極めて大きく成長していることも指摘されます。

ビットコインのボリューム変化

すでにさまざまな報道がある通り、金融緩和によるノンソブリンアセットへの関心増加、さまざまな機関投資家がビットコインに関心を持ち始めていることや、カストディの整備、CMEの先物市場の成熟などいくつかの観点が後押ししているでしょう。

個人投資家が得られるインサイト

この出来高についての指摘で、個人投資家が得れるインサイトは以下の通りです。まず、ビットコインは為替と比較して500分の1の流動性しかなくとも、その影響は、個人の場合、機関投資家よりは軽微です。

多くは数十万円から数百万円、多い人でも資金量は数億円程度が大半です。ビットコインの出来高が少なくとも、数百万円の資金のポートフォリオを機動的に入れ替えることが容易です。これが5,000億円のポートフォリオを運用している機関投資家であれば、1%でもビットコインのエクスポージャーを向けようと思えば、今の出来高では大変です。つまり、この点、個人投資家はある意味では有利な要素です。

次にビットコインの価格は、歴史的にみて、上にも下にも大きく上がりやすいです。この一つの理由は出来高が小さいからであり、少しの買い需要が流れ込むことで、大きく価格が上昇します。逆もまた然りです。加えて、ビットコインの価格は従来の資産クラスのようなファンダメンタルがありません。例えば株式であれば決算がファンダメンタルですが、ビットコインにはそのようなものがありません。

あえて言うのであれば、ビットコインは買われているということ自体がファンダメンタルになり、従来のファンダメンタルがないからこそ、まさに買いが買いを呼ぶという相場展開になりやすいです。これが、取引高の少なさと加わって、ボラティリティを高くします。
これらの背景を理解して、個人投資家が有利な戦略を投資家は築くべきであると言えます。

参考
Coin Metrics’ State of the Network: Issue 53

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