1兆ドル保管を目指す仮想通貨ウォレットのBitGoとはどんな企業?

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1兆ドル保管を目指す仮想通貨ウォレットのBitGoとはどんな企業?

高セキュリティで世界大手のビットコイン・ウォレットを提供しているビットゴー(BitGo)は、2013年に1000万ドル(約11億円)相当の仮想通貨を安全に保管した大騒ぎになりましたが、17年には10億ドル(約1130億円)に近づき、今や「1兆ドルのウォレット」提供を目指すと豪語するまでに成長しました。

そもそもビットゴーとはどのような企業なのか、探ってみました。

仮想通貨などデジタル資産保管の認可取得

ビットゴーのマイク・ベルシェ(Mike Belshe)最高経営責任者(CEO)は、「1兆ドルのウォレットを確保するため」と題して、2018年10月中にスタンフォード大学で講演する予定です。ベルシェCEOは仮想通貨メディアのコインデスク(CoinDesk)のインタビューで、「まだ先の話かもしれないが、われわれは1兆ドルを確保するため何をすべきか真剣に考えている。かなり先のことになるかもしれないが、そこに到達するため計画作りを始めなくてはならない」と語っています。

このようなシステム設計には、ハードウェアとソフトウェア、ポリシーと手続きなど複雑な組み合わせが必要になります。さらに第三者監査を受けた規制上の要件を満たさなくてはありません。ビットゴーは最近、機関投資家に代わってデジタル資産を有資格保管する認可を取得しています。

ビットゴーは18年9月、デジタル資産の保管業者としてサウスダコタ州労働・規制局の銀行業課から規制上の認可を取得しました。同社は、マルチシグネチャ方式の高度のセキュリティをウォレットに実装して認可を取得しています。

競争相手はカストディ企業Northern TrustやウォレットメーカーLedgerなど

ビットゴーは18年1月、120億ドル(1兆3,500億円)以上の資産を持つサウスダコタ州のデジタル資産保管業のキングダム・トラスト・カンパニー(Kingdom Trust Company)の買収話がありましたが、結局買収にいたらず、ビットゴーは自前のビットゴートラスト(BitGo Trust)を設立します。

規制に準じた信託業務機能を付加することによって、月に約150億ドル(1兆7,000億円)相当の仮想通貨を処理しているビットゴーは、機関投資家を対象とするデジタル資産の保全で間違いなく業界で先行しています。この分野の競争相手は、ハードウェアウォレットのメーカーであるLedger(レジャー)や保管銀行のNorthern Trust(ノーザントラスト)、ブロックチェーンスタートアップ企業のitBit(イットビット)など。

保険商品提供などで他社との差別化目指す

ベルシェCEOは特に、業界のすべての人の利益となるデジタル資産の発展は避けられないと予測しており、「私はビッグプレーヤーが参入して、そのバランスシートをセキュリティに守られたデジタル資産保管に任してもらいたいと考えている。そうなればわれわれすべてにとって素晴らしいことだ」と語ります。

2008年のリーマンショック以来、米証券取引委員会(SEC)も推奨するように、多様な組織がカストディサービスが重責を担っています。ヘッジファンドは現在、15から20の保管業者を利用しており、情報開示を抑えたいとするファンドは恐らく全体の5%ほどだろうと推測されています。

ビットゴーは多くのヘッジファンドと話し合いを重ねてきており、ヘッジファンドは保管業者に期待し、数十社のファンドが同社の信託サービスの利用を待ちわびていることが分かったと、ベルシェCEOは語っています。同CEOは、既存の保管業者との差別化を図るには、信託業務基準のSOCなど第三者認証取得が必要だと言います。

ベルシェCEOによると、新事業立ち上げに伴う重要な一歩は、差別化のもう1つの側面となる仮想通貨保険商品の創出です。保険は詐取など多くのリスクをカバーするもので、もちろん自社で保険業を営むのではなく、ロイズなどの保険業が今後提供するだろう新設仮想通貨保険の活用を視野に入れています。

(フリージャーナリスト、大手マスコミOB記者:長瀬雄壱)

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参考
coindesk

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