メガバンクも採用する貿易業務向けブロックチェーンの活用方法とは?

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メガバンクも採用する貿易業務向けブロックチェーンの活用方法とは?

ブロックチェーンが貿易金融と相性が良いことはすでに知られており、世界中でさまざまな大手金融機関などが中心となりプロジェクトが立ち上がっています。

貿易業務向けブロックチェーンとは?

日本国内においても、三井住友銀行が企業向けの貿易業務のブロックチェーンを採用した日本初の銀行となりました。同社は、マルコ・ポーロ(Marco Polo)プロジェクトに世界の主要銀行とともに初期の段階から唯一の邦銀として参加しします。Fintech Jourrnalの記事によると、同社は「貿易金融をデジタル化することで、何日もかかっていた書類のやりとりを瞬時に完結させることが可能になります。これにより事務効率が飛躍的に向上し、現在はファイナンスが付いていない商流に金融機能を提供する可能性が広がります。結果として、貿易金融のマーケットが飛躍的に拡大する可能性が開けてくるのです」と語っています。

貿易業務およびそれを付随する支払い業務では、売手と買手に加えて、船荷会社・通関事業者・金融機関など複数の事業者がプロセスに参加します。その複数事業者間でのプロセスを円滑にするITシステムの基盤とブロックチェーンは相性が良いと考えられています。

実際に貿易業務でブロックチェーンはどのように活用されるのでしょうか?本コラムでは分かりにくい企業向けブロックチェーンがどのように使われているのかを解説します。

ブロックチェーンの使われ方

貿易業務およびそれを付随する支払い業務では、複数の事業者がやり取りすることは既に述べました。買主・売主・保険会社・金融機関・運輸会社・通関会社の少なくとも6社が取引に関わり、多い場合はその倍のエンティティが貿易を完了するためのプロセスを処理します。

手順が多く書類の量も膨大になり、それらは基本的に全て紙で処理され、押印を繰り返して業務が実行されます。例えば、金融機関がすでに買い手からお金を預かったと、売り主の船荷会社に通知、船荷会社は船荷証書を取引銀行に提出して確実に貨物を送ったことを証明するなど、さまざまなプロセスが行われています。

これらのプロセスの各トランザクションの真正性を明らかにしたうえで複数事業者間が運用するブロックチェーン上でワークフローを共有すると、業務が大幅に効率化すると考えられています。プロセスのイメージをブロックチェーンを使用する場合と従来の場合で図で比較すると下記のような形になります。ブロックチェーンが業務の複雑性を排除することが想像できるのではないかと思います。

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作成:HashHub

ブロックチェーンの特徴の1つは、ネットワーク上に分散する多数のノードが、同じデータを同一のものと見分ける識別子を検証しながら保持することによって、データ同一性が確保されていることです。つまりそれぞれのノード運用者が保持している最新のブロックは同一なものであるとシステムが保証しています。

加えてプライバシー機能も使いながら、各エンティティが「船荷証書を発行した」「支払いは預かり済み」と電子署名を用いて1つの台帳でやり取りをすれば、個別にやり取りするよりも業務量が大幅に削減されると期待されます。

このような貿易業務のブロックチェーンは世界中でさまざまな貿易会社や金融機関がプロジェクトを立ち上げしています。これはブロックチェーンがもたらず複雑な産業のデジタルトランスフォーメーションの顕著な事例であると言えます。

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