ファイルコイン(Filecoin)とは?約200億円を調達した分散型ファイルプロジェクトが間もなく公開

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ファイルコイン(Filecoin)とは?約200億円を調達した分散型ファイルプロジェクトが間もなく公開

約200億円を調達した大型プロジェクトであるファイルコイン(Filecoin)のテストネットが公開されました。メインネットの稼働も近々予定されているファイルコインについてその特徴や概要などを紹介します。

ファイルコイン(Filecoin)のテストネットが公開されました。大型プロジェクトであるFilecoinは、長年の開発期間を経ていただけにメインネットローンチの注目度は高いです。本コラムでは、このFilecoinの概要を紹介します。

ファイルコインFilecoinとは何か

Filecoinは、開始1時間で約200億円を調達した大型のICOプロジェクトです。執筆時点で既にテストネットが稼働しており、2020年夏から秋にかけてメインネットの稼働が予定されています。分散型ファイルシステムをホストするネットワークを構築するプロジェクトです。

Filecoinを開発する企業は、プロトコル・ラボ(Protocol Labs)というサンフランシスコの企業です。Protocol Labsは、IPFSやFilecoinといったプロジェクトだけでなく他にもいくつかの有名なプロジェクトを開発している企業です。オープンソースプロジェクトのR&Dを行う会社です。Y Combinatorやウィンクルボスキャピタルなどの著名ファンドから投資を受けています。

分散型ファイルシステムのIPFSとは

Filecoinの説明に入る前に、分散型ファイルシステムのIPFSについて知る必要があります。
IPFS(InterPlanetary File System)はProtocol Labsにより開発が進めれられているP2Pネットワーク上で動作するハイパーメディアプロトコルとその実装を指します。

現在のインターネットで主要なプロトコルであるHTTPを補完または置換するプロトコルとして位置付けられ、コンテンツ指向型のプロトコルであるところに大きな特徴があります。
現在のインターネットで情報にアクセスする場合「**https://hogehoge.com/aaa/hello.html**」といったURLを指定してアクセスしています。

このURLの意味するところは、「hogehoge.comというホストサーバにあるaaaというディレクトリの中のhello.htmlというファイル」ということであり、つまりは取得したい情報がある「場所」(サーバの名前、ディレクトリの名前、ファイル名)を指定しています。これをロケーション指向といいます。

ロケーション指向の弊害として、情報へのアクセス可能性を保つために管理者に大きな責任(負担)が生じることや、責任の裏返しとして、サーバ管理者に情報へのアクセスに関する全権力が集中してしまうなどが挙げられます。これに対して、IPFSではSHAなどの暗号ハッシュ関数を利用してコンテンツのハッシュ値を求め、それをそのコンテンツにアクセスするためのIDとして利用する。つまりコンテンツが存在する場所(サーバ等)ではなく、コンテンツそのもののハッシュ値を指定します。

Filecoinは、IPFSの利便性を高めるプロジェクト

IPFSプロトコルで保存されるファイルはP2P上の分散ネットワークで管理されます。しかし、ファイルが長期間にわたって確実に保存されるような仕組みではありません。暗号化されたファイルが世界中のコンピュータで構成されるP2Pネットワークでホストされますが、いつまでも長期間に渡って管理されるわけではありません。

それぞれのコンピュータは責任ある主体ではなく、個人の集合であり、対価も受け取っていないため暗号化されたコンテンツはある時点で消してしまう人がいるかもしれません。つまり、IPFSにはファイルが永続的に保管されないという欠点があります。

ここでFilecoinが登場しますが、FilecoinはこのP2P上の分散ネットワークでのファイル管理に、経済的なインセンティブが組み込むために開発されています。ホストしてほしいファイルをアップロードするユーザーは、FilecoinでP2Pネットワークに支払います。そしてこのファイルを管理するホストユーザーはFilecoinを稼ぐことができます。

これら分散ファイルプロジェクトが期待されている理由は、原理的にはマーケットの市場競争により余剰ストレージが世界中から提供されて、DropboxひいてはAWSなどよりもコストが安くなることが期待されているからです。ローンチは間もなくであるはずですが、今後の展開が期待されます。

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