米国内でのステーブルコインの取り扱いを定めるステーブルアクトとは?

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米国内でのステーブルコインの取り扱いを定めるステーブルアクトとは?

アメリカで議論を大きく呼んでいる新しい規制があります。それはステーブルコインに関連する規制です。

米下院で2020年12月、ステーブルコインの発行体を規制する法案が議会に提出されました。
ステーブルコイン追跡および銀行ライセンス強制法(Stablecoin Tethering and Bank Licensing Enforcement Act)と呼ばれる法案で、通称ステーブルアクトと呼ばれています。

ステーブルアクトの目的とは?

この法案の目的は、将来発行される予定のFacebookのLibra(現Diem)や現在市場で提供されている他のステーブルコインなどがもたらすリスクから、発行および関連する商業活動を規制することによって消費者を保護することであると述べられています。同法案で提案されている具体的な規制内容は以下の4つです。

  1. ステーブルコインの発行者は銀行業ライセンスを取得する必要がある
  2. ステーブルコインの発行者は既存の銀行規制のもとで管理される
  3. ステーブルコインを発行する事業者または銀行は、発行の6か月前にFDIC(連邦預金保険公社)もしくは適切な銀行代理店に通知し承認を取得する必要がある
  4. ステーブルコインの発行者は、発行されたすべてのステーブルコインを必要に応じて米ドルに変換できるように、FDICの保険に加入するか連邦準備制度に準備金を維持しておかなければならない

つまりステーブルコインの発行体を銀行とほぼ同様の規制下に置くべきであるという内容になっています。

事業者からは反対派の意見も

アメリカ国内で最大のステーブルコイン関連事業者であるサークル(Circle)社のCEO(最高経営責任者)であるジェレミー・アレール(Jeremy Allaire)氏は「ステーブルアクトはブロックチェーンと金融業界の進歩を制限しデジタル通貨イノベーションを大きく後退させるだろう」とネガティブな反応を示しています。

反対派の意見の中心は特に(2)に関連します。既存の銀行規制と同様ということでは、ステーブルコイン保持者のKYCも求められるでしょう。現在のステーブルコインのサービス運用では、発行体を通して法定通貨とステーブルコインを変換する際にはKYCが求められても、一度発行されたステーブルコインを二次流通する際にはKYCが必要ありません。ステーブルアクトが実現する場合、このような運用は難しくなるでしょう。

現在、ステーブルコインの主要なユースケースであるDeFi(分散型金融)では、送金の度にKYCと送金先確認などを行う場合、現在のアプリケーションは成り立ちません。スマートコントラクトに流動性を提供したり、レイヤー2のコントラクトにデポジットをするなども銀行送金と同様の手続きを取ることになってしまう場合、ステーブルコインの主要なユースケースは失われてしまいます。この場合、ホワイトリストに登録されているアドレスやコントラクトアドレスだけが米国で規制されているステーブルコインの受取をできるなど何かしらの工夫が求められます。

また、ステーブルアクト以外の米国のステーブルコイン規制の動向として、米通貨監督庁(OCC)は銀行や貯蓄貸付組合の決済に暗号資産に関わるパブリックチェーンや、ステーブルコインの利用を認める解釈書を発表しました。

参考:Federally Chartered Banks and Thrifts May Participate in Independent Node Verification Networks and Use Stablecoins for Payment Activities

OCCのプレスリリースではブロックチェーン技術の活用は既存の銀行システムに比べ、決済の効率化と安定、そしてリアルタイム決済の実現につながると説明しています。またパブリックブロックチェーンは分散化されていることから決済領域においては既存の決済ネットワークより優れている場合もあると記述しています。

この規制が実際に施行される場合、取引所で使われるステーブルコインやDeFiにも大きな影響が出るはずで今後注視するべきであると言えます。

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