サプライチェーンファイナンス領域でのブロックチェーンの活用の可能性とは?

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サプライチェーンファイナンス領域でのブロックチェーンの活用の可能性とは?

サプライチェーンファイナンスとは

ブロックチェーンのサプライチェーンファイナンスへの適用は、情報とお金の透明性・追跡性を高めることができると期待され、相性の良い分野であると言われます。

まず、サプライチェーンファイナンスという言葉を聞き慣れない人もいるでしょう。サプライチェーンファイナンスは、企業のサプライチェーンの競争力を高め、コスト削減や流動性向上などを図る金融サービスを指します。購買から生産、そして販売から代金回収までの一連のサプライチェーンマネジメントに対して、必要な資金をタイムリーかつ低い金融コストで提供する仕組みです。

自動車や電機、機械、プラントなど多くの大企業は、グローバルで企業活動をすることが一般化しており、海外の子会社等を通じて現地企業等の間で部品などの供給網を築いています。しかし、一方で供給網を重層的に張り巡らせていることで、日々、各地域で発生する支払い等の管理も複雑になり、企業の負担となっています。

このような状況の中、サプライチェーンファイナンスは、企業が構築している部品などの供給網に金融サービスを挟み、取引先企業との支払条件の改善などを通じ、企業間の資金やり取りを円滑にするものです。例えば、銀行が支払期日前に売掛代金を立て替えるファクタリングという仕組みが代表例として挙げられます。最近は、日本国内のIT企業やスタートアップでもファクタリングを事業領域とする事例がいくつか見られます。

サプライチェーンファイナンス領域へのブロックチェーンの適用

これらのサプライチェーンファイナンスは、特に2000年以降に発達して企業の導入が進んでおり、請求書の発行から支払いまで平均60日かかる請求プロセスの効率化に使用されます。

請求書などの金融情報と物の動きのいずれかがサイロ化されていて、より効率的なサプライチェーンファイナンスの構築が困難とされるというようなケースが存在します。しかし、これが例えば請求書がブロックチェーン上でトークン化され、その請求書トークンの持ち主は、スマートコントラクトで確実に支払いを受け取ることができ、検証も可能であるならば、その請求書トークンは4転・5転にも移転ができ、そのうえで担保性のある金融商品にもなりえます。

また、その他のトークンのように分割が可能で、グローバルでの移転も可能になるかもしれません。これら全てがすぐに実現可能というわけではありませんが、これらはサプライチェーンファイナンス領域へのブロックチェーンの適用の可能性を表すものです。

結果として、より効率的なサプライチェーンファイナンスが構築できると期待されます。また、高度なサプライチェーンファイナンスは、ほとんどの場合、大企業のみがその恩恵を受けていましたが、中小企業もこの恩恵を受けることができるようになるとも期待されます。

サプライチェーンファイナンスのOSを作るCentrifuge

サプライチェーンファイナンスに関わるブロックチェーンのプロジェクトや実証実験は数多く行われています。その中でもセントリフュージ(Centrifuge)は特徴的なプロジェクトであるといえます。

Centrifugeは、パブリックブロックチェーンで構成されながら、ビジネス利用を想定した仕組みを構築しており、企業が売掛金債権をNFTトークンとして流通させるような仕組みを構築しています。

また、そのNFT化したアセットをコンパウンド(Compound)などをはじめとしたイーサリアム(Ethereum)のDeFi(分散型金融)上で流通させることを目論んでいます。同プロジェクトのさらに詳しい解説や技術的な観点はこちらで概観しています。

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