ここ数ヶ月、ライトコインが日本の取引所でも新規取扱が増えていたり、価格も好調に推移しており、注目度が高まっていることを感じます。
2011年にスタートしたライトコインは、ビットコインがデジタルゴールドと例えられるならば、ライトコインは銀といったコンセプトで開発が進められています。
最近注目度が高い割に、ライトコインに関する最近の動向が日本語でまとめられている記事が非常に少ないので、本稿では、Segwitアクティベート後の動きを整理し、次回の投稿では、抱えている問題点を考えていきたいと思います。
目次
ライトコインの最近の動向まとめ
1.segwitアクティベート
2017年4月25日に、segwitがロックインされ、その後アクティベートしました。
開発者のチャーリーがマイナーを説得し、アクティベートに至りますが、ビッグブロックで、スケールしたいという意思を捨てたわけではないので、今後、争点になる可能性は十分にあります。
2.チャーリー・リー氏、フルタイムでライトコインに尽力
ライトコインの生みの親であるチャーリー・リー氏は、6月中旬にcoinbaseでエンジニリング・ディレクターとして働いていましたが、退職してフルタイムでライトコイン開発に取り組むことを発表。
3.ライトコイン初のフルタイムデベロッパー
ライトコインは数年間フルタイムデベロッパーが不在だったのだが、UASFを提案した匿名の人物Shaolinfryがフルタイムデベロッパーとして、ライトコインに加わることが6月1日に発表されました。同氏は2016年からライトコインの開発に関わり貢献してきた人物です。
4.ビットコインコア開発者もライトコインにコミットするように
ビットコインのコアの一部も、ライトコインの開発に参加し始めています。
Johnson Lau氏が特に積極的なようで、smartcriptovaultライトコインのスマートコントラクトを開発中とのこと。
ビットコインの開発・最近のBIPは、コンセンサスやSegwitのデプロイ方法の提案が多くなっていたので、ライトコインに目移りするのかもしれないと感じさせられます。
チャーリー・リー氏は、6月4日のツイートで、RSK 、 SmartLitecoins、 2-way pegs、 Atomic swaps、 Drivechain、などの技術を開発することに意欲的な姿勢を見せています。
RSK on Litecoin. SmartLitecoins. 2-way pegs. Atomic swaps. Drivechain.
Need I say more?! pic.twitter.com/TMBm9E1Fcw
— Charlie Lee (@SatoshiLite) 2017年6月4日
5.ビットコインからライトコインに移行するサービスも
サードパーティーのレイヤーも、ビットコインのネットワークから、ハードフォーク懸念や、トランザクション手数料を理由として、ライトコインのネットワークへの移行が見られており、tetherなどのトークンを発行するomni layerや、マイクロペイメントのアプリケーションを提供するyours、などがそれに当たります。
このようにライトコインのネットワークを使用したサービスやプラットフォームが構築されることは、ライトコインが評価されているということで、ライトコイン自体にとってはポジティブに捉えて良いでしょう。
6.嘘のニュースがいくつか出回る
6月にライトコインに関するフェイクニュースがいくつか出回りました。
1つは、「Amazonでビットコイン・ライトコインの受け入れをなるべく早く実装する」という言葉をカスタマーサポートで受けとったというスクリーンショットのリーク。
常識的に考えて、Amazonほどの会社が、プレスリリース前にこれをカスタマーサポートで漏らすとは思えません。
2つ目に、Amazonの件と同じ週に、MITのドメインで8月1日にライトコインに関するテクノロジーを新たにリリースするというランディングページが立ち上がりました。
しかし、このドメインは、生徒や教授なら誰でも取得ができ、ランディングページを立ち上げることは容易です。
更にこれについて業界で知っている人もいないということから、フェイクニュースの可能性が高いという認識でよいでしょう。
ライトコインの価格を上昇させようとしているグループがいるかもしれないと指摘されています。
7.マイナー主催のミートアップが中国で開催
7月1日に、マイニング製品を扱う中国の半導体企業のInnosilicon主催で、規模が少し大きめのライトコインミートアップが中国で開催されました。
開発者チャーリー・リー氏や、ライトコイン財団のメンバー、BTCCのボビー氏や、マイナーなどの多くの主要プレイヤーが出席し、レポートや当日の写真からは、各プレイヤーが、比較的友好的な関係を築くことができているだろうと推察できます。
このイベントでライトコイン財団は、Innosiliconから666LTCの寄付を受けました。6は中国で縁起が良いラッキーナンバーです。
8.取扱い取引所などインフラ整備が進む
この2~3ヶ月、ライトコインを新規上場させる取引所が増加しています。
日本でお馴染みのbitFlyer、ルクセンブルクを拠点としたbitstamp、カナダの最大取引所QuadrigaCXなどが新規上場させました。出来高ベースでは依然、中国国内で人気が高いです。
ライトコイン財団は、ライトニングネットワークなどのソリューションを開発する以上に、現在は、新規の取引所に上場させ、決済として使える通貨にしたい戦略だと述べています。
その他Yahooファイナンスで価格もトラッキングできるようになったり、BitGoがサポート開始、ハードウェアウォレットのTrezorでライトコインが取り扱い開始されたりも良いニュースです。
ブロックサイズ的には、まだトランザクションの余裕は十分にあるので、インフラ整備を優先するのは正しいと思われます。
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以上がライトコインの最近の動向で、政治論争でsegwitのアクティベイトが遅れているビットコインと比べると、良いニュースが目立ちます。(フェイクニュースはよくないですが)
しかし、ライトコインも小さくない問題点も抱えているので、これは次回の投稿で指摘と考察をしていきます。