ブロックチェーンが環境問題に役立つ可能性を世界経済フォーラムで発表

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ブロックチェーンが環境問題に役立つ可能性を世界経済フォーラムが発表

『ブロックチェーンと環境問題』というと、どんなことを思い浮かべるだろうか。とりわけ、ビットコイン(BTC)やビットコインキャッシュ(BCH)など主要通貨で採用されているマイニングアルゴリズムPoWは、多くの計算やそのための莫大な電力を必要とするため、環境問題に対して、無能、あるいは悪影響を与えるとすら言われてきた。

実際、膨大な電気量が必要なことは事実だ。加えて電気を供給するインフラを作るためには大きな土地が必要だ。この指摘は間違いではない。しかしながら、世界経済フォーラムではこうしたブロックチェーンや仮想通貨が持つ負の側面ではなく、その逆の可能性に注目したようだ。

より良い世界の為のブロックチェーンのレポート発表

世界的な監査法人である、プリンスウォータークーパー(以下:PwC)が世界経済フォーラム向けに、「Building block(chain)s for a better planet(より良い世界のためのブロックチェーン構築)」と題したレポートを発表した。

このレポートは2017年から断続して行われてきた、IoTやAIなど最新テクノロジーが世界に与える影響について検討する、第四次産業革命プロジェクトの一環として行われたものだという。

同レポートでは、ブロックチェーン技術は環境問題に対して非常に有益な側面を持ちながら、その点が探求されることはなかった。だが、正しく使えば “持続可能な革命” をもたらす技術である、と指摘している。

ブロックチェーンによる6分野、65のユースケースを提示

同レポートではブロックチェーン技術が寄与するであろう重要な以下6分野を指定、具体的に65のユースケースを紹介した。

  • 気候変動
  • 生物多様性とその保全
  • 健全な海洋生態系
  • 水の安全保障
  • 清浄な大気
  • 災害に対する強靭性

ブロックチェーンレポート(PwC)6分野、65のユースケース
出典:PwC(PricewaterhouseCoopers)

加えて、同レポートは、現在の環境問題に対する政府枠組みの変更を求め、ブロックチェーン技術を採用することによって新たな枠組みを提示することが可能だと指摘している。

ブロックチェーンが直面するリスクと課題についても指摘

同レポートは単にブロックチェーンの可能性について触れるだけでなく、現在ブロックチェーンが抱えるリスク、課題についても言及した。
とりわけマイニングに代表されるブロックチェーンの過度な利用について触れ、2018年にビットコイン(BTC)のブロックチェーンが消費した電力が2014年にオーストラリアが国家全域で使用した総電力に匹敵するという想定を算出。改善の必要性を訴えた。

レポートによれば、イーサリアム(Ethereum)などで採用が検討されているPoS(プルーフオブステーク)方式や新たなインフラを作ることで、“環境にやさしい仮想通貨” を目指す、スタートアップChiaの取り組みがこうした仮想通貨、ブロックチェーンが抱える問題解決に効果を発揮する可能性があるとのことである。

すでに、世界経済フォーラムはスタンフォード大学やPwCからの助力を受け、ブロックチェーン技術を活用するための“networks of practitioners”(実践者によるネットワーク)の構築や新たな論文作成など目的達成のために動き出している。

昨今、仮想通貨業界を飛び越え、今回の世界経済フォーラムに代表される国際機関がブロックチェーンや仮想通貨がもたらす革新について好意的な視線を向けるようになってきた。今後の展開に注目していきたい。

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参考
ethnews
press.pwc

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