FTXに続きGenesisも?バイナンスCEOが破綻の影響について語る

バイナンスの創業者でCEO(最高経営責任者)でもあるCZことチャンポン・ジャオ(Changpeng Zhao)氏は、暗号資産(仮想通貨)取引所ジェネシス(Genesis)の破綻が引き起こす影響についてブルームバーグのインタビューで自身に考えについて語りました。CZ氏は、仮想通貨業界は大きな影響を受けないという見解を示しています。

ジェネシスの破綻が業界に与える影響は?

バイナンスとの取り引きが停止した後、ジェネシスは10億ドル(約1,387億円)の融資が受けられないと破産する可能性を示しました。

ジェネシスのネットワークは、グレイスケール(Grayscale)、コインデスク(Coindesk)、ファウンドリ(Foundry)、ルノ(Luno)などの仮想通貨関連プロジェクトを傘下に収めるデジタル・カレンシー・グループ(DCG:Digital Currency Group)に属しています。DCGは業界の数百というプロジェクトとつながりを持っているため、仮想通貨コミュニティではジェネシスの破綻によって、DCGとグレイスケールも深刻なダメージを受けるという噂が広がっています。

複数のレポートによれば、サークル(Circle)、ルノ、ジェミニ(Gemini)、そしておそらくコインベース(Coinbase)などを含む重要なプロジェクトが、ジェネシスにエクスポージャーを有しているということです。そのためもしもジェネシスが破綻すると、その影響がほとんどの仮想通貨ネットワークと、エコシステム全体の崩壊を導くという噂も広がっています。

噂を否定するCZ氏の見通し

インタビューに答えたCZ氏は、ジェネシスの破綻が現実になっても、仮想通貨市場は生き残るという見解を示しています。このインタビューのわずか数日前に、バイナンスはジェネシスに対する支援計画を却下しています。

「ジェネシスが崩壊した場合、業界は生き残れるのか?」という問いに対してCZ氏は、「もちろん業界は生き残る。痛みを伴うだろうが、特に問題はないだろう」と答えています。

CZ氏によると、ジェネシスの市場への影響力は限定的で、取り引きする資産はわずか数十億ドルであり、そのほとんどが機関投資家向けなので、仮想通貨市場に与える損害は小さくて済むということです。また、ジェネシスの破綻は他者にとって新たなチャンスを生み出し、同時に市場全体への教訓になるとも述べています。

世界初のメタファイ(MetaFi)プラットフォームChoise.com(CHO)のCMO(最高マーケティング責任者)であるアナスタシア・コー(Anastasia Kor)氏も業界の先行きについて、「ジェネシスに関する見通しは暗く、もしも破綻が現実になると、複合的な波紋が広がり業界に悪影響が及ぶかもしれない。ただしジェネシスの問題が、業界に重大な危機をもたらすかという問いは全く主観的であり、関連する企業やプラトフォーム、そして投資家は自身が矢面に立たされていると感じるかもしれないが、業界は無事にこの危機を回避できるだろう」と述べています。

過去にも危機を乗り越えてきた仮想通貨

仮想通貨は過去にも幾多の危機を乗り越えてきました。今年に限っても、市場はトップクラスのネットワーク崩壊に見舞われています。

それについてもアナスタシア氏は、「テラ(Terra)とルナ(Luna)、スリー・アロウズ・キャピタル(Three Arrows Capital)、ボイジャー・デジタル(Voyager Digital)、そしてFTXの崩壊があったものの、仮想通貨業界は力強い回復力を見せている。ジェネシスも同様で、多くの仮想通貨保有者はリスクマネジメント戦略を強化しており、もしも破綻が起きても資産に対する影響を最小限に抑えることができるだろう」と述べ、CZ氏と同様に仮想通貨業界の見通しをポジティブに予測しています。

参考
Binance CEO discusses Genesis collapse impact on crypto markets

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