アメリカ連邦準備制度理事会(FRB)が利下げを決定してからも、ビットコイン(BTC)価格は62,000~64,000ドル(約902~931万円)の狭いレンジで推移してきました。しかし投資家の楽観的心理に支えられ、この価格帯を突破すれば近いうちに70,000ドル(約1,019万円)を超えて上昇する可能性があります。
ビットコイン過去最高値更新は時間の問題?
2024年の第四四半期を迎えるにあたって、複数のアナリストが楽観的な意見を述べています。ラーク・デイビス(Lark Davis)氏は、歴史的傾向として第四四半期の平均利益率が88%である点を指摘しています。
もしも同様のパターンが再現されれば、少なくとも2023年と同じく55%上昇して100,000ドル(約1,450万円)、場合によっては120,000ドル(約1,746万円)到達もあり得るというのが彼の見解です。
さらにデイビス氏は、ビットコイン現物ETFの上場、近づく大統領選挙、破綻したFTXによる160億ドル(約2兆3,280億円)に及ぶ返済など、大幅な価格変動につながる複数の要素がある点も強調しています。ただし最近の市場を分析すると、ビットコイン価格が何らかの人為的操作を受けている可能性が捨てきれません。
上昇過程での一時的な下落への警戒感
もう1人のアナリストInspoCrypto氏は、63,000ドル(約917万円)を超えようとする値動きがブロックされている可能性を指摘しています。これにはある有力なオプション機関投資家が関与しており、10月4日まで価格を抑えているという報告があるのです。
さらに彼は累積出来高デルタ(CVD:Cumulative Volume Delta)から、価格が上昇しているにもかかわらず現物CVDが分布パターンを示すのに対し、先物CVDが分岐パターンを示していることを明らかにしました。つまり価格上昇の主因は先物取引にあるのです。
データ分析企業ハイブロック・キャピタル(Hyblock Capital)が示す「クジラ:小口投資家比率」もこの見解を裏づけています。現在クジラがショートポジションを蓄積しているのに対して、小口投資家は自分たちに好ましくないロングポジションに賭けている状況です。とはいえInspoCrypto氏の展望も楽観的であり、史上最高値更新前に若干の下落はあるものの、ビットコインは80,000ドル~85,000ドル(約1,164~1,237万円)レベルまで上昇すると見ています。
さらにもう1人、著名なアナリストのアリ・マルチネス(Ali Martinez)氏は、現在ビットコインは64,000ドルの200日単純移動平均線突破を狙っており、これが短期的なレジスタンスレベルになっていると述べています。このレベルの突破に成功すれば、強力な強気トレンドが到来するとの見解です。
また彼は、もしも長期的な「ビットコインパワーの法則(Long-Term Power Law)」モデルが正しければ、2025年10月までに最高値は400,000ドル(約5,820万円)に到達すると予測しています。
総括すると、ビットコインは短期的には目の前にあるハードルを越えられていないものの、この先の第四四半期から2025年にかけて、最高値を更新するという予測でアナリストの意見は一致しているようです。
日本時間9月27日正午時点では、マルチネス氏の予想を上回り、ビットコイン価格は24時間で2.5%ほど上昇して65,000ドル(約946万円)手前で推移しています。
参考
・Bitcoin Price Forecast: Q4 Outlook Indicates Parabolic Move Toward $120,000
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